オーストラリア防衛省のデータセンター統合が遅延、その要因は

悩みの種とは

2014年、オーストラリア防衛省は280存在する同省のデータセンターを14(国内11、国外3)へ統合するプロジェクトを、ロッキードマーチンとともに着手し、今尚プロジェクトは進行中です。
もともとプロジェクトに必要な予算は600万ドルとされていましたが、プロジェクトの拡大や再交渉により、昨年の時点で760万ドルもの資金が投入されています。このプロジェクトは、かつてのロッキードマーティン社「ITサービス部門」を買収したレイドスグループによってすすめられていますが、思うように進まず遅れをとっているようです。

オーストラリアの国内メディア「iTニュース」によると、レイドスは本プロジェクトの大部分をNECオーストラリア(サービス移行やレガシーシステムのホスティングを主事業とする)へ委託しており、2022年の契約満了に合わせて主要なプライベードクラウドインフラを徐々に引き継いでいくようです。
このプライベートクラウドはマイクロソフト、オラクルソラリスとNetAppテクノロジーによって構築され2015年から運用が開始されていますが、14のデータセンターにおいてデプロイが上手くいかないなどの問題をオーストラリア防衛省は抱えていました。

正しい現状把握が必要

本プロジェクトが開始したのは2014年ですが、オーストラリア防衛省は、同省が2500ものITアプリケーションを利用していることや、そのうち300近い財務系アプリケーションのほとんどがミッションクリティカルであったり、旧バージョンのソフトウェアとしか互換性のなかったりすることに、2015年のレビュー段階で気がづきました。これはつまり、ビジネスアプリケーションを新システムへ移行する作業は、「当初描いていた計画よりも遅くなる」ことを意味すると、広報担当部門はiTニュースに語りました。一部のアプリケーションにのみ必要となる機能を構築することも、遅延の大きな要因になっているとのことです。この遅れによって、集中処理機能のフルオペレーション化も計画通りにはいかず、今年の第四四半期へとずれ込みました。
「中央機能のフルオペレーション化は、システムやファシリティなど、集中処理機能が必要とする要件を満たしたサービスがオペレーションとして確立することで実現するものです」と報道担当は説明しています。
データセンターの統合に向けた初期段階での方針・方法策定の際に、利用しているアプリケーションの特徴や仕様を確認しきれなかったことが、今回の遅延をもたらしているようです。

-Data Center Dynamics
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