AT&T、IBM、Microsoftとのクラウド契約に調印

“AT&Tが持つネットワークの専門的技術と引き換えに、社内アプリケーションを2つのクラウドに移行”

AT&T Communicationsは、MicrosftとIBMの2社の パブリッククラウド サービスの使用契約を締結しました。この2社のクラウドプロバイダは、AT&Tが持つ特定のネットワーク技術の使用を約束しています。

連日発表されているこれらの契約は、AT&Tの2つの部分で社員が使用していたクラウドサービスを対象としているようです。また、AT&Tがパブリッククラウドサービスを再販したり直接顧客に提供したりすることはありませんが、AT&Tのパートナーが彼らの提案にIBM Cloudを使用する可能性はあります。IBMとMicrosoftはAT&Tをネットワーク技術パートナーとすることに同意しました。

二つのクラウド

どちらの契約も「複数年にわたる戦略的パートナーシップ」の締結であり、自社のデータセンターを運用するのではなく、社内IT環境をクラウドに移行するというAT&Tの戦略に基づいています。これは昨年、AT&Tがデータセンターサービスを提供していた施設を売却したことに続く動きです。31のAT&Tデータセンターは投資家に売却され、 Evoque Data Center Solution という新しいプロバイダーとなりました 。

IBMとの契約では、AT&T Businessは自社のアプリケーションをIBM Cloudに移行し、IBMが最近買収したRed Hatのソフトウェアを使用してワークロードを管理する予定です。このIBMとの契約はMicrosoftのそれよりもより深い契約のように見えます。AT&TはIBMをAT&T Businessの主要クラウドプロバイダーにし、また パブリッククラウドプライベートクラウド (おそらくMicrosoft Azureも含む)上でのAT&T CommunicationsのITインフラ管理にIBMを関与させています。

それと引き換えに、AT&T BusinessはAT&Tの「 Software Defined Network ( SDN )の主要プロバイダー」になり、 エッジコンピューティングIoT 技術を使いIBMのネットワーク変革に協力します。

実際、AT&T Business は、しばらく前からIBMの戦略的グローバルネットワーク・プロバイダであり、AT&Tは、IBMが買収する前からRed Hatの長期的なユーザーでした。

一方、Microsoftは、 契約上でAT&Tクラウドを管理する立場にはなれませんでしたが、それでも彼らにとっては非常に大きな商談です。Microsoftは、AT&T社内にOffice 365を含むMicrosoft製品を導入することで、AzureクラウドをAT&T全社に広げられるようになります 。今回の契約は、AT&T BusinessだけでなくAT&T Communicationsも対象としており、Microsoftは AT&Tの「非ネットワーク・アプリケーション」の推奨クラウドプロバイダーになり、その多くはAzureに移行していくでしょう。

ネットワーク面では、マイクロソフトはAT&Tと提携し、5G対応アプリケーションとエッジアプリケーションをお互いの顧客に提供します。リリースでは、緊急対応サービスで5Gを活用し、電話を受けながらAIが困っている人々にリアルタイムの音声翻訳を提供する等、「現在そして将来の人々の暮らしや働き方を向上させる」未来的なアプリケーションを描いています。

AT&Tが顧客向けデータセンターを処分したことによる、彼らにとっての大きなメリットは、社員が使用していた内部設備を取り除けた事でしょう。AT&Tは、「パブリッククラウドを優先する」企業となり、今後「データセンターインフラと運用を統合」していきます。

Data Center Dynamics

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