クラウド・ウォーズ:ビッグ3の今四半期の動向予測

Amazonの第1四半期の収益報告によると、Amazon Webサービスの売上は41%増、売上高は 77億ドルでした。AWSはクラウド市場で最大のプレーヤーであり、今四半期のAmazonの総収入の13%を占めました。

しかし、GoogleとMicrosoftもこの四半期に決して転寝をしていたわけではありません。Googleは4月に開催されたCloud Nextカンファレンスで100を超える新たな発表を行いました。その中で最も重要なのは、「Anthos」という、AWSやMicrosoft Azureと直接競合する新しいコネクテッド・マルチクラウドプラットフォームの立ち上げでした。また、AzureはAWSの32%に対してわずか16%の市場シェアの維持にとどまりますが、Microsoftクラウドの売上は第1四半期に73%増加しました。

特にGoogleのAnthos発表に伴う新たな成長戦略はトッププレーヤーの間で新たな競争を刺激しています。第2四半期に進むと、ビッグスリーが市場で差別化されると予測しています。

AWS

Amazonは DevOps を中心に主張を固めており、アジャイルフレームワーク上にクラウドネイティブソフトウェアを実装しようとしている企業にとっては、引き続きゴーソースとなるでしょう。この短縮された開発ライフサイクルと大容量のストレージ容量により、Lyft(2021年までに3億ドル)やPinterest(2023年までに7億5千万ドル)などからAWS相当の契約を獲得しました。

– Getty Images

しかし、第2四半期に始まったAWSの話題の多くは 依然としてAWSの最大のクライアントの1つであるAppleを中心としたものでした。同社は2018年にAWSに3億6000万ドルを費やしました。これは、iCloud上で実行されている15億もの同時接続デバイスをサポートするためのものです。これは少額のキャッシュではありませんし、2017年にAWSに対し支払われた7億7,500万ドルのうちの実に半数になります。2018年後半の発表では、Appleは今後5年間で100億ドルを自社のデータセンターに投資する計画であると発表しました。Appleは近いうちにAWSとの交渉力を強めるか、あるいは独自の方法で独立したクラウドプレーヤーになる可能性があります。

Microsoft Azure

マイクロソフトは依然としてクラウドコンピューティング上における最も伝統的なエンタープライズ・アプリケーションであり、伝統的なワークロードをクラウド上に移行して最適化しています。しかし、今後数カ月間におけるAzureの主な方向性は、今後何年もの間その製品を形作るであろう潜在的な契約獲得の準備となるでしょう。

5月に、マイクロソフトは米国のすべてのクラウド基盤領域において FedRAMP High Impact基準 を満たすための厳しい認証プロセスを完了しました。Azureは、米国国防総省のハイテクインフラの見直しに伴う100億ドル規模の JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)契約に関してAWSと競合しているため、これは重要です。AWSはこれまでのCIAとの共同作業のおかげもあり、競合の面で優位に立つ可能性があるため、AzureはFedRAMPの発表による後押しを必要としていました。最終的な決着は7月の予定です。

Google Anthos

Anthosの精神は、「膨大なデータセットから洞察を引き出す」として誕生した同社の支持者にとって驚くことではありません。これはGoogleが、AnthosがAzureやAWSよりも際立っていることを望んでいる点でもあります。(それらのハイブリッド・オンプレミスクラウドは模倣されたモデルである) 一方、Anthosは、多くのオンプレミス環境で稼働しているVMware環境を変換可能なため、企業は既存のデータセンターへの投資をより効果的に活用し適応させることができます。Google Anthosのポジショニングの重要性を知り、ハイブリッド ・オンプレミスの見解を示すにはまだ早すぎますが、この決定は他の2社のソリューションに対する違いを示すでしょう。

Googleは4月のカンファレンスで、クラウドベースの新しいビデオゲームプラットフォームである Stadia を発表しました。価格、ゲーム、発売日などの詳細はまだ明らかにされていませんが(注:その後2019年6月7日に発表)、StadiaはMicrosoftのProject xCloudと直接競合する可能性があるとのことです。

これら2つのプロジェクトは、ゲーマーを興奮させるだけでなく、クラウド業界への完全な信頼への合図となり、他のゲームプラットフォームがそれに追従する可能性をもたらします。長期的には、ゲームはクラウド内でのみ配信されるようになる可能性があります。しかし、配信モデルは関係なく、クラウド上でのゲーム自体の可用性よりも、プレーヤーの心を動かすのはゲームの品質であるのは変わりません。

クラウドコネクティビティ市場の3大プレーヤーにとって、非常に多くのことが予想され、同時に多くの問題もあります。しかし、確かなことは、 私たちがクラウドネイティブの時代に、しっかりと定着をしていることです。LyftやPinterestのような巨大ブランドでも、クラウド環境をすべて1つのプロバイダのサービスに入れるわけではありませんが、彼らの大きな投資は今後何年にもわたって進化を遂げていくでしょう。

Data Center Dynamics

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