伊HPCプロジェクトがEUから新型コロナの研究資金を獲得

EUは、新型コロナウイルス撲滅に関する研究を集めるための入札の一環として、新たなウイルス研究団体Exscalate4CoV(E4C)に資金提供を行います。

イタリアの官民コンソーシアムは、新型コロナウイルスに取り組むプロジェクトに参加しています。現在までほぼ100社に上る組織がこのプロジェクトに参加しています。このタスクの目的は、新型コロナウイルスに対して有効となる化学分子を特定し、18か月以内に将来のパンデミックに対する新たなツールを開発することです。

E4Cは2月にミッションに参加しましたが、3月に300万ユーロ(330万ドル)の資金供与を受けました。1月に1,000万ユーロ(1100万ドル)の入札が発表された後、欧州委員会が更なる3,750万ユーロ(4100万ドル)を投資し、European Horizo​​n 2020プロジェクトに参加しました。

希望に満ちた地平線

Innovation, Research, Culture, Education, and Youth委員会のMariya Gabriel氏は次のように述べています。「Horizo​​n 2020からの緊急資金提供により、研究者はコロナウイルス問題にすぐに取り組むことができる。研究コミュニティがこれほど急速に行動するのを見ると、 迅速にウイルスの拡散を抑える目標に近づく新たな希望を与えてくれるだろう。」

また、製薬業界からの参加企業は、プロジェクトの投資総額が最大9000万ユーロ(1億ドル)まで引き上がることを期待しています。

モデル構築

E4Cの仕事は、新型コロナウイルス感染症(covid-19)を実質的にシミュレートし、病原体のタンパク質と特定の薬物との相互作用を模倣するのに使える、正確な3Dモデルを構築することです。このシステムは、約5,000億分子の「化合物ライブラリ」全体にもアクセスでき、プラットフォームは1秒間に300万分子を処理できるといいます。

「このコンソーシアムは、既に感染が確認された集団への即時治療に対し最も安全かつ最も有望な薬剤を特定し、その後コロナウイルスの病因を阻害し、将来の感染に対抗できる分子の特定を目指している。」とE4Cは声明で述べています。また、ウイルスの将来の変異をモデル化することもできるようです。

– shutterstock

一旦適正な分子が機能することが判明したら、このニュースを製薬会社に送信してワクチンの生成にかかります。

E4Cは、ミラノ工科大学、シネカ大学コンソーシアム( Cineca Interuniversity Consortium )、ミラノ大学、フェデリコIIナポリ大学、カリアリ大学、国立核物理学研究所、国立感染症研究所Lazzaro Spallanzani、およびChelonia Applied Scienceなどの団体により構成されています。過去には、このコンソーシアムは、Zikaウイルスの研究を行ったAntarexプロジェクトなど、さまざまな名称で活動してきました。

Cinecaの10ペタフロップスのMarconiスーパーコンピュータは、長年E4Cの主力製品でした。しかし、将来的に団体は、今年後半にイタリアで発表され稼働を開始する予定の、現時点で200ペタフロップス以上の性能があると見られているLeonardoスーパーコンピュータを利用したいと考えています。

一方、米国エネルギー省も、200ペタフロップスを誇るSummitスーパーコンピュータを使用して新型コロナウイルス対策に取り組んでいます。

Data Center Dynamics

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