Gartner報告:メモリ部品の供給不足により、データセンターへの投資は減速

IT投資額は予想を上回る成長率にもかかわらず

コンサルティング企業GartnerのIT市場年報によると、IT市場における2018年の世界全体の年間利益額は3兆7400億に達する見込みです。この数字は昨年比6.2%増で、統計を開始した2007年以来最高の収益です。
データセンターシステムの収益成長率は鈍化傾向を見せているものの、主に企業向けソフトウェアやITサービス、デバイス市場によって推し進められた動きと推測されます。

明暗分かれる

企業向けソフトウェア市場の成長率は、2017年の8.8%が今年は11.1%にまで上がると見込まれています。この背景には、デジタル事業の発展に乗っかろうとする企業がいること、もしくは単純に、企業が、従来のマニュアル作業からデジタル作業の比率を高めるようになったからでしょう。

ITサービス産業の収益は、今年、7.4%上昇すると見込まれています。一方、デバイス市場(PCやタブレット、携帯電話)の今年の収益見込みは7,060億円、割合にして6.6%の上昇率です。

そんな中、世界全体のデータセンターシステム投資額の予測は混沌としています。Gartnerは昨年の6.3%に比べ、今年は3.7%に減速すると見ています。一方でCBREのレポートによると、昨年データセンターへの総投資額は合計200億ドルに達し、これは前年比100%増でした。

IT市場にとっては悪いことに(サムスン電子にとっては幸運でしたが)、メモリの供給不足が原因で、予想以上にIT機器の価格が高騰しました。今回の供給不足は今年初めには見通しが立ち、2018年内は大丈夫だろうと見られています。

Gartnerの研究部門VP、ラブロック氏によると、IT産業全体は、米ドル下落の恩恵を受けてきました。
この「ドル安による追い風」が、米国をIT産業にとって欠かせない国際的なハブに伸し上げました。

世界の経済成長と足並みを合わせ、IT分野への投資額は今の強い成長率を「期待値レベル」を維持していくと踏んでいます。「不安定は政治情勢、NAFTA協定の再交渉そして貿易戦争の恐れによる相当の乱高下」を加味しても、2018年から2019年にわたって、米ドルは「変わらず強いトレンド」であろうと予想されています。

– Data Center Dynamics
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