米アリゾナ州で打ち出された30億ドル規模の”謎の”「ソーラーデータセンター」

ソーラーインフラ関連企業のペガサスグループ・ホールディングスと プラスマイナスパワー 社は、米国アリゾナ州モハーヴェ郡キングマン(下部の地図参照)の南に位置する30億ドル(およそ3000億円超)規模の 340MWソーラー発電で稼働するデータセンタープロジェクトを打ち出しました。

彼らは、“The Hive”と名付けられたその施設を「世界最大の太陽光発電データセンター」であると説明し、今秋~2019年末までにオープンする予定であるといいます。彼らは地元の政治家から、キングマンの南にある717エーカーの土地にサイトを建設する支援を得ました。しかし、彼らの実績はほとんど見えてきません。またオンライン上では、ほんの2つのプレスリリースと、ホームページ上では ビットコイン マイニングの説明があるだけです。

忙しいミツバチ

6月のプレスリリースでは、両社は州間高速道路40号線 からすぐの場所に、500から1,000台のサーバーを収容できるようカスタマイズした貨物コンテナネットワークで構成される The Hive データセンターの建設を約束していました。 ペガサスによると、太陽熱発電所が生み出す340MWのほぼすべてを、クリプトカレンシーマイナー(=暗号通貨)、ヒトゲノムシーケンサー (=次世代シーケンサー) 、3D長編映画のレンダリングスタジオ、災害復旧やデータ保存サービスなどの用途に使用することになるという。また、残りの電力は、地域の電力網に転送も可能であると述べています。

– Thinkstock / jenifoto

同社は、地元の政治家によって歓迎されているこの大規模プロジェクトに関するパートナー企業や顧客を発表していません。リリースでは、 モハーヴェ 郡のスーパーバイザーであるJean Bishop氏の以下のコメントを引用しています。「 ペガサスグループ・ホールディングスを モハーヴェ郡に迎え入れることを非常に楽しみにしています。 ペガサス は、世界最大の太陽光発電データセンターであるという施設を、 モハーヴェ郡の4区、私が代表を務めるこの地域に構築しようとしています。」

モハベ郡経済開発局長 Tami Ursenbach氏
– Tami Ursenbach / LinkedIn

モハーヴェ郡の経済開発担当ディレクターであるTami Ursenbach氏もこのプロジェクトを支持しており、数枚の太陽電池パネルと一緒に撮影した自身の写真と共に、この件をLinkedInに投稿しています。

6月に、Mohave Valley Daily Newsは、ソーラーパネルがキングマンを横切る州間高速道路40号線そばにあるプロジェクト現場に到着していること、およびそこで作業する建設作業員がいることを報告しました。

そして今週、両社は合併しました。ペガサスが プラスマイナスパワー を買収し、 完全子会社となった プラスマイナスパワーの社長兼CEOのDan Briggs氏が ペガサスグループ・ホールディングス のCEOを務めることになりました。

ペガサスグループ・ホールディングス と プラスマイナスパワー はどちらも新しく立ち上げた会社のようで、この巨大なデータセンターの建設は共に初めてのプロジェクトのようです。このリリースでは ペガサス を「 再生可能エネルギー ベースの ハイパースケールデータセンター エコシステムを所有し運営する持株会社…さまざまな法人顧客に向けた」と説明していますが、そのサイト上にそれ以上の詳細情報の記載はありません。そして、5月6日にYouTubeに「近日公開」とする動画が投稿されました。

プラスマイナスパワー社は、 LinkedIn上にのみ存在しているようです。そこには太陽光発電の経験を積んだ従業員4名が登録されていますが、その全員が2018年末からの登録です。CEOのDan Briggs氏のLinkedInアカウントでは、 今年の2月に彼が会社のリーダーに就き、 2019年3月に CTOのMike Horan氏が入社したと述べています。同社のLinkedin上にはまた、ヨーク公爵夫人のSarah Ferguson氏支援を表明する動画を掲載しています。

プラスマイナスパワー は、「ストレージソリューション用の マイクログリッド を所有および構築する」と述べています。

Data Center Dynamics

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