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【特集記事】「オッケーグーグル、データセンターを冷却して」

本記事は、2018/8/28に米国Motivair社によって配信された記事です。
高密度化が進むデータセンターにおける、Google社の人工知能を利用したシステム効率化への取り組みや、人工知能と冷却システムがどのように変化していくのかが述べられています。

 


8月17日、Googleは自社の所有する複数のデータセンターの冷却を、 AI のアルゴリズムによって調整する方針へ切り替えたことを明らかにしました。(TechCrunch記事より)

Motivair社のCEOであるRich Whitmore氏は、この動きは、データセンター市場にとって至極妥当なものと認識されるべきと考えており、すべてのシステムとまではいかずとも、将来的に液体冷却が広く採用されるだろうと考えています。

Source: Motivair Corp.

「人工知能の普及により、ソフトウェアは、計算能力の高い最先端のサーバーを必要とするのは明白です。その一方で、ITインフラストラクチャは、最新の冷却装置を必要としています。すべての装置は相互に作用しており、電力と冷却でサーバーは動き、サーバーがAIを動かしています。システム全体がうまく働きかけ合わなければ、何も動くことは無いのです。」

Tech Reviewによると、Googleはこれまで、空調に費やされる電力消費を抑えるために、冷却装置のファンや換気機能、その他の機器を最適な状態に保つためのアルゴリズムを開発してきました。

今回のレポートによると、Google社はアルゴリズムの精査を続けた結果、同社の冷却装置を利用することで、電力を40%近く削減させることに成功したといい、データセンターの空調設計担当者への導入を進めています。

Googleは、2014年にロンドンに拠点を置く人工知能企業Deep Mind社を買収し、AI研究を進める傍ら、2016までこの空調最適化プロジェクトを進めてきました。人工知能は、様々な仕事のシナリオを通じて育成することが可能で、データセンターのダイナミズムを理解し、効率性を最適化させるフレームワークを構築させました。

「冷却」は、データセンターで消費されるエネルギーの多くを占めます。データセンターの冷却は様々な構成要素があり、ポンプや チラー 、冷媒の分配装置や、 リアドア冷却 装置のチルドドアといった大規模な産業機器によって冷却が実現されます。

そして今日、データセンターにおけるエネルギー消費は、差し迫った問題となっています。
2016年にアメリカのローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリーのエネルギー部門がだしたレポートでは、2014年の時点でアメリカのデータセンターは一時間当たり約700億キロワットの電力を消費し、これは、アメリカ全体の電力使用量の1.8%にあたるとしています。

同レポートでは、新設されたデータセンターでのエネルギー利用量は、効率性の向上によりかなり改善はされていますが、2020年には合計で一時間当たり730億キロワットの消費になるとみられています。

一方で、アルゴリズムが最適なシステムを実現する一方で、人間がアルゴリズムを調整し、アルゴリズムがリスクのある行動に出ようとしたときは、介入することも可能だとされています。

「Googleは、自社のコンピュータシステムの未来と、いかにしてそれをコントロールするかを世間へと示し、 液体冷却 の発展のために費やされてきた時間と投資を、確かに意味のあるものにしました。」とWhitmore氏は語りました。

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– Motivair Cool News
原文はこちら
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DC ASIAは、Motivair社のパートナーとして、高密度インフラへの液体冷却ソリューションをご提供しています。本記事や、Motivair社へご興味のある方がいましたら、お気兼ねなくお問合せ下さい。
Motivair社製アクティブ型リアドア空調 – ChilledDoor
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