ストックホルムのMultigrid、5MWデータセンターの廃熱を再利用

地域の暖房システムを利用する開発も

「Multigrid」と呼ばれるデータセンター事業社の最初の施設は、現在ストックホルムに建設中ですが、このデータセンターはサーバーの廃熱を回収して、売ることに重点を置いています。
電力容量5MWを誇るこのデータセンターは、ストックホルム・データパークの一部となる予定です。そのデータパークは、2017年1月に開始された政府支援イニシアチブの一貫として建設されており、町の暖房需要の10%のエネルギー源を最終的に供給する省エネ効果が期待されています。
Multigridによると、この施設は、IT負荷のkWhあたりの正味エネルギーコストを€0.03(約3.9円)にする、欧州主要都市の最初のデータセンターになるそうです。※日本の一般家庭だと、およそ25円/kwh

CEOのM.ガンズラント氏は、「キスタ地区に建設するMultigridの新しいデータセンターは、従来の施設よりも少なくとも50%効率的になることを期待しています」と語りました。

熱をそのまま廃棄するのはもったいない

Multigridは、ストックホルムにデータセンターを建設して運営する際、上記のように「排熱を再利用する」という目的をもって設立されました。このデータセンター排熱は、ストックホルム地域の暖房システムに利用可能で、ユーザー数の規模から比較すると、世界最大の暖房容量を提供します。

同社の経営陣には、廃熱の再利用の経験を持つ業界のベテランが2人含まれています。
ガンスラント氏は地元のユーティリティ会社FortumVärmeの類似プロジェクトに従事していました。副社長のG.ベルクイスト氏はバンホフ社のCTOでした。バンホフはスウェーデンのデータセンター運営企業で、数年間、熱エネルギーをFortumに数年間供給していた会社です。

Multigridの次のデータセンターは、ストックホルム・データパークとして開発される4地区から、最初のキスタ地区に建設される予定です。イニシアチブは、ストックホルム市、エネルギー供給企業のEllevio、ネットワーク企業STOKABとFortumVärmeによる共同プロジェクトです。

「キスタ地区は大規模なデータセンターにとって非常に魅力的です」とガンスラント氏は述べています。「キスタ地区は北ヨーロッパ最大のIT企業クラスタです。大規模なデータセンターと魅力的なエネルギー価格との組み合わせは非常に特徴的です」

Multigridによると、フル稼働では、年間10,000万kWhの熱エネルギーを供給することができ、これは住宅を10,000暖房するに十分な供給量です。この施設は2019年1月1日にオープンする予定です。
ストックホルム・データパークには、他にもInterxion、ファッションチェーンH&M、ボーダーライトなどが入っています。ボーダーライトは廃熱回収に焦点を当てた新しいデータセンター事業です。

スウェーデンは2016年にデータセンターで使用される電力にかかる税金を97%カットしました。これにより、データセンター開発者にとっては、さらに魅力的な国となったようです。

– Data Center Dynamics
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