Apple、Nuviaの創業者を元従業員の契約違反として告訴

Appleは半導体スタートアップのNuviaの創設者を訴えています。Appleは、元従業員としての契約を破り、会社の信頼に違反したと主張しています。

2月にGerard Williams III氏はAppleを辞め、さらに2人の元Apple社員であったJohn Bruno氏とManu Gulati氏とともにNuviaを設立しました。

Appleでは、Williams氏は同社のモバイルデバイス用Armベースプロセッサの設計作業を指揮しました。彼の新しい会社Nuviaは、いくつかの著名な支援者により5300万ドルの投資を受けて、11月に初めて公開されました。同社は、IntelやAMDなどのx86チッププロバイダーが現在優位性を占めている市場セクターであるデータセンター向けにArmベースのマイクロチップを設計したいと考えています。

契約

AppleとNuvia、及びその創設者との主な争点は、2010年1月7日にWilliams氏が署名した雇用契約のSection2.0にあります。この契約は、従業員が会社の技術と知的財産を尊重しなければならないことを規定しています。

Section2.0は次のとおりです。「Appleとの雇用関係の中で、あなたに開示されるか、雇用の過程であなたが習得する可能性のある機密、専有、および秘密の性質を持つ情報に関して、信用と信頼の関係を築くことをあなたは理解します。またAppleに開示された第三者の機密情報を含みますが、これに限定されません。」

John Bruno, Gerard Williams III and Manu Gulati – Nuvia

続けて、「Appleでの雇用では、雇用期間中及びその後も、すべての専有情報の機密と信頼を保つ必要があることを理解し、それに同意します。また、Appleの従業員としての職務を遂行するために必要な場合を除き、Appleの書面による同意なしに、機密情報を使用または開示しません。」

状況

8月に提出されたAppleの訴状では、Williams氏が個人的な利益のために会社を「悪用」したと非難しています。訴状には次のように書かれています。「2018年までに、Williams氏はAppleで新しいベンチャーを始めました。彼はそれをNuviaと名付けました。当時Williams氏はAppleに在籍していましたが、AppleからNuviaに目を向けました。

「Williamsは、 Appleで仕事をしていた際に得た技術で新しい会社を立ち上げたことを自慢していた。 彼はAppleがそれを“必要”としていると信じ、購入する以外の選択肢はないと信じていた。」数十億ドル規模の会社は現在、Williams氏に対する損害賠償を求めています。

Anna VarsányiによるPixabayからの画像

Nuviaのマーケティング担当副社長、Jon Carvill氏はDCDに次のように語っています。「裁判所に提出された異議の内容以上に言及できることはあまりありません。 私が言えることは、Gerard(Williams)は、受けた要求に対して説得力のある抗弁を持っている、と我々は信じているということです。」

Williams氏の異議申し立て人(弁護士)は、彼が署名した契約はカリフォルニア州の「ビジネスおよび職業規定」に違反していると論じています。彼は、Appleが主張している Nuviaをスタートするためというより、家族との時間を増やすために、1月にAppleを辞める意思を伝えた、としています。

また、彼はその異議申し立ての際に、プライバシーに関する問題も提起しました。文書の脚注によると、Appleは今年初めに「Privacy:That’s iPhone」広告キャンペーンを開始したにもかかわらず、Williams氏とスタッフのテキストメッセージやメールをその証拠の一部として使用し続けている、と述べられています。

文書には次のように書かれています:「 今回のAppleの告訴は、Appleを辞めることを考えているかもしれない現在のAppleの従業員をさらに脅すための、従業員の電話記録やテキストメッセージの監視・調査は驚くべきプライバシーへの不穏な侵害であると言える。」

裁判所による審議は来年1月21日にサンタクララ上級裁判所で予定されています。

Data Center Dynamics

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