データセンターへのARソリューションの適用

スポンサーコンテンツ – シュナイダーエレクトリックホールディングス社 尾野隆一

広がるAR(拡張現実)技術の活用

昨今 AR 技術と聞いて多くの方が思い描かれるのは、某有名スマホゲームだと思います。AR技術というのはその名のとおり、現実世界に対してCG(コンピュータグラフィック)等を用いて情報を付加(拡張)するものですが、某ゲームの場合は、それらがモンスターやアイテムであったりします。また、スマホが登場する以前からもTV放送において、例えば水泳競技のゴール時に選手の国旗を水面に表示したり、世界記録のペースをプール上にバーとしてリアルタイムに表示して記録が更新されるかをハラハラドキドキさせる演出にも活用されてきました。

今から10数年前にスマホが登場し、その後の処理能力向上や搭載されているカメラデバイスの進化がAR技術を活用するプラットフォームとしてとても有効なものになってきました。またタブレットデバイスにおいては、その効率性から産業界においても現場で活用されはじめ、今ではノートパソコンにとって代わるような勢いがあります。

そうした背景をうけ、数年前から産業界でもAR技術が活用され始めていますが、その用途は多岐にわたります。その中で最も一般的な活用方法としてドキュメントビューワがありますが、この場合、あらかじめ指定された装置をタブレットのカメラで捉えた場合、その装置に関連する情報をARで表示させ、その中にドキュメントを呼び出す為のCGがあり、それをタップする事で、メンテナンスマニュアルや、操作手順のドキュメントを表示させることができます。

また、これ以上近づくと危険である、というようなイメージ画像や警告文をARで表示させることもできます。これにより、タブレットを持っているオペレータは直感的に危険であることを認識でき、各種ドキュメントのような必要な情報も簡単に取得することができます。

データセンターのファシリティ点検への活用事例

一般の産業界同様、データセンターに隣接されているファシリティ設備・装置のメンテナンスを、AR技術を用いて効率よく対応する事が可能になります。またARとは別のアプリケーションを併用する事で、タブレットを用いた装置設備点検用途にARを活用できます。

<部品交換 時期通知・手順案内>

各種センサーや部品には寿命がありますが、これの交換時期がARを使えば簡単にわかります。例として、 UPS のバッテリー点検・部品交換がありますが、経年劣化が原因で部品交換が必要になるケースでは、例えば稼働時間を PLC にカウントしておき、それが閾値を超える事で交換時期を知らしめる警告や通知メッセージをARで表示させれば、実際に壊れる前に対応する事が可能になります。また、オペレーターが不慣れであった場合でも、交換手順を POI からPDFドキュメントや動画マニュアルを見せることによって、人的ミスを軽減します。

<表現の向上>

ARらしい表現とすれば、例えばデータセンターの床下をタブレットでかざした場合、結線の状態や床下にあるネットワークハブをARで表示させることで、どの位置の床下を開けてメンテナンスを行ったら良いのか、瞬時に判断する事ができます。

また、任意のイメージ画像を装置等に貼り付ける事で、オペレーターに様々なメッセージを伝える事ができます。

POI – Schneider Electric

EcoStruxure(IoT)におけるARソリューション

シュナイダーエレクトリックでは、約10年前から産業界におけるAR技術の活用を検討してきました。その結果IoTプラットフォームとしてEcoStruxure(エコストラクチャー)を提唱する中、拡張現実(AR)を活用した新しいソリューションEcoStruxure Augmented Operator Advisor(以下:シュナイダーARアドバイザー)は世界40ヵ国以上で採用され活用が始まっています。

日本市場においても、2017年の発表以来、多くの導入・活用事例が生まれています。元々はHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)製品を採用されたFA(Factory Automation)の系ユーザが中心でしたが、近年は、広大な敷地でのAR対応を想定したロケーションシステムの活用や、 BACnet 環境との接続等、他の技術との融合をすすめる事で、PA(Plant Automation)やBA(Building Automation)、あるいはデータセンター業界などより幅広い業界への展開をすすめています。

“シュナイダーARアドバイザー” 概要

“シュナイダーARアドバイザー” のシステムは(図1)、オペレーターが持つタブレット等の端末、データの受け渡しの中心となるARサーバー(PCベース)、とそれらをつなげる無線機器で構成されます。

他社のARソリューションとの大きな違いは、プログラム開発レスで、PLCやセンサー等といった制御機器のリアルタイムデータを取得し、様々な機器の状態をアラームやテキスト等でオペレーターに伝える事ができる点です。また、従来のHMI(タッチパネル操作表示器)との違いは、HMIではオペレーターが見たいと思う情報を意識して画面切替えや項目を探す必要がありますが、“シュナイダーARアドバイザー” では、対象となる機械・装置にタブレットをかざすだけで、見たいデータに対応するPOI(Points Of Interest:アイコンのようなもの)を、装置の該当する場所に表示するので、オペレーターは直感的にPOIをタッチする事で必要な情報を得ることができます。

よく使われるARソリューションとしてドキュメントビューワがありますが、“シュナイダーARアドバイザー”の場合は、今、発生している状態を読み取って、的確にオペレーターに与えるべきドキュメントを判別し、POIに紐づけることができます。

ある統計データによると、問題解決に費やす時間のうち約40%がマニュアルやドキュメントを探している時間と言われており、これをARアドバイザーで瞬時に表示させることで問題解決の時間を大幅に短縮させることができます。

<将来的には>

シュナイダーエレクトリックは、今後も精力的に、使い勝手の良い機能を “シュナイダーARアドバイザー” に搭載していきます。近い将来、ウェアラブルデバイスの活用も検討しています。

Microsoft社のHoloLensとのコラボレーションがその一例で、2019年秋にバルセロナで行われたシュナイダーの展示会でプロトタイプを発表しました。

これにより、ARの情報を得ながら作業する為に、両手には何も持たない【ハンズフリー】のニーズに対応する事が可能になります。また、日本国内でもプロトタイプも含めて各メーカーとの連携を準備中であり、将来的に推奨機種を増やしていく予定です。

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