CBRE:Covid-19にも関わらず、FLAP市場は年間200MWを視野に

フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリでの拡大は、パンデミックによる遅延影響無し

引き続きCovid-19パンデミックが継続しているにも関わらず、ヨーロッパのデータセンター市場は記録的な年に向けて順調に進んでいるようです。

不動産大手のCBREは、フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリのいわゆるFLAP市場では、昨年のおよそ201MWに匹敵する200MW前後のコロケーション採用が見えてきていると言います。

拘束されない成長

「データセンターセクターは、現在の不況の中で最も保護されているセクターの1つだ。」とEMEAデータセンターリサーチ部門責任者のMitul Patel氏は述べています。

しかしPatel氏は、第1四半期は「クラウド企業にとっては異常なほど静か」であり、(※FLAP市場全体の80%はハイパースケーラーが占めている)「第1四半期の総量は26MWと比較的控えめな数値だった。」と言います。それでも、「ヨーロッパでの新規のデータセンターインフラに対するクラウドサービス事業者の欲求は疑う余地がない。」と彼は付け加えています。

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興味深いことに、このレポートでは、CBREはCovid-19が当四半期の減速に直接影響を及ぼすとは考えていませんでした。むしろ、今年採用された施設の多くは既に開発が進められていたものであり、供給あるいは採用の観点で、CBREの統計にはまだ入っていません。

「個々の契約規模は拡大を続けており、単一テナント施設の数が増加している。最も活発な市場であるロンドンとフランクフルトでは、企業は20MWを超える施設全体のリースをますます要求している。その結果、単一テナントにリースされた施設の数は、2019年には4施設、2018年には1施設であったのに対し、2020年は9施設に達すると予想される。」

CBREは、今年の残りの期間にFLAP市場で既に確約されているか、検討中のもので、少なくとも138MWの追加容量を把握しています。今後の3四半期に市場に出てくる可能性が高い取引を追加すると、FLAP市場は2年連続で200MWに達する可能性が高まります。

「おそらく、現在の環境で最も重要な課題の1つは、新規施設の建設と、新規テナントのためのデータホールの整備である。」とPatel氏は言います。「市場での採用は、新規エンドユーザ要件に対応する施設の開発に依存しているため、建設計画の遅延を最小限に抑えることが全体的な成功にとって重要になります。

「現状では、多くの企業は建設作業を継続し、合法的かつ現実的に可能かつ安全である限り、建設を継続する予定のようだ。デベロッパ/事業者は、遅延は最小限に抑えられており、既存の開発パイプラインに関しての重大な混乱はないと確信している。」

市場の概要

FLAP市場の現時点での総容量は1,699MWで、2020年第1四半期には30MWが追加されました。フランクフルトとアムステルダムは、第2四半期の新規提供の95%以上を担っています。

FLAP市場全体の空き床率は約21.6%で、アムステルダムが25%と最も高いです。一方、パリは12%に下げ、過去4年間で最低となりました。

CBREは、今後の大規模な展開に伴い、この空室率が問題になる可能性は低いと考えています。ただし、Covid-19の影響によるサプライチェーンの混乱は予測が難しいと同社は述べています。

フランクフルトは、ヨーロッパ地域で最高のパフォーマンスを維持している市場であるため、建設やサプライチェーンの問題が発生した場合に最もリスクが高い市場と言えます。

ロンドンは引き続き堅調で、今年でトータルで800MW規模への軌道に乗り、ちょうど4年前の2倍に拡大しています。しかし、長期に渡るデータセンター・ホットスポットであるSloughとStockley Parkは満床となっているため、ハイパースケーラーは他の場所(例:NTTのDagenhamデータセンターなど)に目を向け始める可能性があります。

アムステルダムはSchipholでの成長を依然見せていますが、新規開発スペースは限られています。2つの地方自治体が新規開発に一時停止をかけましたが、(いくつかの制限付きで)解除される可能性がある、とCBREは考えているが、年末になると見られます。

パリは来年、本当に輝くと予想されます。2021年には5MW以上の単一テナント貸しあるいは ビルド・トゥー・スーツ型施設 ( BTS型施設 )が定期的に開設されます。現在、いくつかの大規模なクラウド取引が行われています。

クラウド調達のトレンドも変化し、15MW以上の容量を持つ単一施設全体を大企業が一括取得する流れにますます移行しつつあります。通常、彼らは建物の半分(20MW未満の施設)あるいは1/3(20MWを超える施設)のいずれかをDay-1でコミットし、残りはその後数年で展開していく動きです。

Data Center Dynamics

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