コロナ禍にも拘わらず北米のデータセンター活況は続く【CBRE報告】

需要は下半期に流れ込むと思われる

不動産コンサルティング会社CBREの半期の報告書によりますと、不動産業界の多くはCovid-19による大きな打撃を受けたが、2020年上半期のデータセンター不動産市場は北米全体で継続的な活況が見られたとしています。

2020年の上半期に、主要市場(バージニア北部、ダラス、シリコンバレー、シカゴ、フェニックス、ニューヨーク首都圏、アトランタ)全体で、134.9MW規模の ホールセールデータセンター 施設が供給されました。うち131.1MWは新規の施設です。

構築し、利益を得る

同じくこれらの市場全体で、373MW規模の施設が建設中です。これにはアッシュバーンを擁するバージニア州北部の239MWが含まれます。尚、アッシュバーンの地価はかつてないほど高騰しています。バージニア州は上半期に93MWのホールセール施設を提供し、主要市場全体の70%を占めました。

また、容量が前年比で284MW増加したにもかかわらず、バージニア州北部では依然として空室率が8%を下回っている状況です。

米国政府が データセンター を必須インフラであるとみなしていることもあり、新型コロナウイルス感染拡大を抑制する目的で一時的に中断されたプロジェクトはほんの一握りであり、パンデミックに伴う建設への影響は僅かでした。

調査によると、二次市場(オースティン/サンアントニオ、ヒューストン、南カリフォルニア、シアトル、デンバー、ボストン、シャーロット/ローリー、ミネアポリス)の供給も一次市場とほぼ同様の速さで伸びています。そしてネットワークハブの需要は依然として高いと思われますが、クラウド事業者が新たな容量を求める中、二次市場はすぐに需要のオーバーフローから恩恵を受けるだろうとCBREは述べています。

また、大手クラウド事業者は明らかにインフラ基盤の拡大を約束しています。Microsoftは、米国でのロックダウン開始直後に、新たな容量拡張を促進すると発表し、そしてGoogleは2020年に米国内のデータセンターに100億ドルを投資すると発表していました。

一方、AWSは最近カリフォルニア北部のギルロイで56エーカーの土地を取得しましたが、その土地の利用目的についてはまだ確認できていません(苗床として利用する可能性もあります)。

投資する投資家

パンデミックに伴う経済の不確実性の波及効果として施設買収の動きは鈍化しました、しかし関心は非常に高いこともあり、多くの買収がありました。

注目すべきは、MapletreeとDigital Realtyの5億 5,700 万ドルの契約締結で、MapletreeはDigital Realtyからデータセンター10施設を購入しました。

一方エクイニクスは、メキシコで地元の事業者Axtelが所有する3施設を1億7,500万ドルで買収しました。また、不動産開発会社のLandmark Dividendは、アリゾナのPayPalデータセンターを1億2,200万ドルで取得しました

下半期も引き続きパンデミックが継続すると推察される中、リモートワーク環境の整備を進める企業がミッションクリティカルなITへの投資を行うだろうとCBREは予測しています。つまり、投資家たちは新たなデータセンター構築に向けた資金を投入し続けるであろうと考えられます。

Data Center Dynamics

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