米国データセンター市場は2021年に13.8%成長へ【CBRE報告】

その成長の多くはバージニア州北部

不動産コンサルティング会社のCBREは、373MWを超える現在建設段階の新しいデータセンターを含め、米国のデータセンター総容量は2021年に13.8%増加するだろうと予測しています。

CBREの市場予測は、不動産市場、米国大統領選挙、グリーンエネルギー、そしてCovid-19などのすべての潜在的な影響を考慮に入れた、2021年の市場見通し報告書」に基づいています。

これは驚くべき事なのか?

この報告書には次のように記されています。「米国の ホールセールデータセンター 市場は、”事業運営をサポートするうえで データセンター が果たす役割”からの恩恵を受け続けている。ハイブリッドITやクラウドサービスへの継続的な需要、AI技術の進化、および分散した労働力をサポートする能力は、今後数年にわたる業界の成長を促進させるだろう」

CBREによると、米国で最も成長している地域は、主にバージニア州北部(最大)、ダラス/フォートワース、シカゴ、シリコンバレー、フェニックス、ニューヨーク、およびアトランタであったとしています。しかし、需要は安定期に入り始めたこともあり、データセンター市場は2021年には横ばいになり始めるだろうと予想しています。既にダラスでは、供給過剰といった実際の問題に気づき始めています。

Google、Microsoft、AWSなどのハイパースケーラーが容量を増やそうと、ホールセール施設の利用に加え、各社独自の ハイパースケールデータセンター の建設も行っており、バージニア州北部は1.3GWと最も開発が盛んに行われている市場となっています。来年の計画に関して言うと、やはりバージニア州北部での239MW規模の計画が最も多く、アトランタでの28.5MW規模の計画が次に続きます。

より多くの企業がクラウド、あるいはハイブリッドクラウドの導入を始める中、小規模DC事業者の成長の可能性は損なわれると見られています。スケーラビリティ、高度な接続性、Cloud onRamp(クラウドオンランプ)のポテンシャルを備える施設が、「データセンターテクノロジーの進化をもたらす能力が低い、古くて小規模な施設」よりもより良いポジショニングにいるだろう、とCBREは述べています。

しかし、関心が高まる中、データセンター市場は投資家にとって魅力的に見えているようです。データセンターを保有するREIT(不動産投資信託)は、YTD(年初来)で約28%の収益成長を遂げているとCBREは報告しています。

結果として、ハイパースケールクラウド事業者の動きと、Covid-19パンデミック後にエンタープライズユーザーがクラウドへ移行する可能性に注意を払う必要がある、とCBREは言います。これは業界内における価格の連鎖反応をもたらす可能性がありますが、平均コストが下がるのか、供給が枯渇し不安定になるのかは定かではありません。

Data Center Dynamics

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