TSMC、2050年までにカーボンニュートラルを目指す

世界最大の半導体受託メーカー台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (台湾積体電路製造 :TSMC)は、2050年までにカーボンニュートラルを実現すると発表しました。昨年は1,500万トン以上の炭素汚染物質を排出したが、2025年までに排出量の伸びをフラットにする計画だといいます。

同社の会長マーク・リューは、「TSMCは、気候変動が環境と人類に深刻な影響を与えることを深く認識しています。世界をリードする半導体企業として、気候変動という課題に直面する企業責任を果たさなければなりません」と述べています。

TSMCは、シリコンウエハー1枚あたりの二酸化炭素排出量をすでに削減していますが、チップ生産量の急増により全体の二酸化炭素排出量はまだ増加しているといいます。

同社は主に台湾に拠点を置いており、エネルギー使用量は台湾の総電力使用量の4.8%を占めています。グリーンピース台湾では、TSMCの3nmファブが稼働する2022年には、この割合が7.2%になると予測しています。

台湾の電力はほとんどが石炭と天然ガスによるもので、原子力や再生可能エネルギーはわずか20%にすぎません。TSMCはこの問題を解決するために、7月に台湾海峡に面した920MWの風力発電所の電力購入契約を締結しました。2026年に稼働すると、同社はその後20年間すべての電力を購入することになります。

今月、TSMCはCPC Corp.(台湾中油)から「カーボンニュートラルな液体天然ガス」を購入する契約を結びました。これは炭素を排出する天然ガスを燃やし、その見返りとしてLNG会社がカーボンオフセットを購入するという、議論の余地があるものです。しかし政府はオフセットを検閲しておらず、排出量測定方法も確立されていません。国連が支援する「Science-Based Targets」イニシアチブの科学者たちは、このようなカーボンクレジットは、せいぜい(例えば森林破壊を防ぐことで)より多くの炭素が放出されるのを食い止める程度で、積極的に炭素を除去するものではなく、したがってLNGの排出量をオフセットするものではないと述べています。

TSMCのカーボンニュートラルへの約束が、半導体の製造に使用される化学物質にも及ぶかどうかは定かではありません。Ars Technicaの報道によると、ペルフルオロ化合物の地球温暖化係数は、100年間で二酸化炭素の677倍から11,100倍にもなるといいます。より環境に優しい代替品はありますが、既存の工場に後付けするのは容易ではありません。

この発表は世界的なチップ不足が長期化する中、TSMCが今後3年間で1,000億ドル以上を投じて積極的に事業を拡大していることを受けたものです。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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