Supermicro、スパイチップ疑惑を払拭するため製造元を中国から移動

サーバーメーカーのSupermicroは、中国政府がサプライチェーンに侵入し同社のマザーボードにスパイチップを操作したとの疑惑を受けていました。しかしその後、ユーザーからの懸念を払拭すべく、生産場所を中国から移動していると報じられています。

昨年10月に、Bloombergによって最初に報告されたこの疑惑は、Supermicroをはじめ関係企業によって全面否定されました。特にAppleは、 アメリカ議会に対して、この騒動に異議を唱える文書を送っています。更に、CEOのTim Cook氏と、AWSのCEOのAndy Jassy氏は、Bloombergに記事を撤回するよう請求しました。

また、Supermicroはレポートの真偽を検証するために、第三者調査会社Nardello&Coに委託して調査を進めましたが、Bloombergが主張するスパイチップを裏付ける証拠は見つからなかったと結論づけています。米国国土安全保障省も、Bloombergの主張に異議を唱えました。

それでも影響は色濃く…

日経アジアレビュー紙は、今回の1件ではBloombergへの反論意見が大きかったにもかかわらず、ユーザーはSupermicro製サーバーに対して慎重な姿勢を取っていると報じています。詳しい専門家によれば、スパイチップへの懸念に対処し、拡大する米中貿易戦争の影響からも逃れるべく、Supermicroがサプライヤーに生産拠点を中国から移動させたとレポートしています。

サーバー台数において世界第三位の出荷台数を誇るSupermicroは、サーバーシステムを主に自社で組み立てますが、マザーボードの製造は多数のサプライヤーに委託しています。「これまで中国で生産されていたアウトソーシングパートナーだけに頼ることなく、自立する(組織を構築する)必要がある」と同社幹部は日経レポートに語りました。

– Supermicroより

今月、Supermicroは台湾に6500万ドル、80万平方フィートの製造工場の起工式を開催しました。 また、米国の拠点であるGreen Computing Parkも拡張中で、現在建設中の5施設のうち、3施設が2019年末までに完成予定です。

Bloombergはスパイチップ報道には十分な裏付けがあるとし、記事を撤回していません。また昨年には、「当社は1年以上にわたる調査の結果、100件以上のインタビューを行ってきました」「政府関係者や企業の内部関係者を含む17の情報筋が、ハードウェアの操作といった攻撃を確認しました。また、中国外務省と3社の声明も発表しました。自信を持って当社の報告や情報源が正しい物であると主張します。」と述べていました。

Data Center Dynamics

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