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【特集記事】RagingWire CEOの長期的な見通し

< 2019年5月3日のインタビュー記事 >

“データセンター業界は、小規模コロケーションの顧客と同時にクラウドプロバイダをどのように満足させているでしょうか?これはプロバイダにとって非常に重要な問題です。しかし、1000億ドル規模の日本の電気通信会社は本当にその問いに対する解答を考えることができるのでしょうか?”

2018年にノースヴァージニア州アッシュバーンにあるRagingWireの28.4MWのキャンパスで同社のCEOであるDoug Adams氏と会談した際、我々はおもにこの質問について尋ねました。彼は両方の質問に答える立場にあります。彼は2000年にRagingWireの設立を支援し、企業用のコロケーションデータセンターを構築し約20年間運営しました。この5年間、RagingWireは日本の電話会社NTTの所有権の下にあり、会社を新しいリーグに移しました。

通信会社がデータセンターを買収したのは驚くべき事です。AT&TやVerizonといったほとんどの通信事業者は、2015年以来データセンターの所有権を削減または廃止し、ビジネスを専門家に任せています。なぜNTTはより良くできると考え、RagingWireを買収したのでしょうか?

NTT傘下での生き方

Adamsは同社がベンチャー資金がない状態で立ち上がり、カリフォルニアの顧客にスペースを提供し信頼性を築いていったと語ります。通信会社界隈が専門家と競争できないと気付く中、NTTは長期的な観点から2014年にRagingWire株の80%を購入し、2017年には同社の株を買い占めを完了しました。

– shutterstock

「(米国の通信会社は)非常に視野が狭く、四半期ごとに焦点を絞っていました。」と彼は語りました。「彼らは世界のEquinix、Digital Realty、およびRagingWiresなどから手を貸してもらっていました。そして、最終的に手を引きました。NTTのこのビジネスに賭けるという判断は非常に聡明だと思っています。」

同社は、主にインドのNetMagic(2018)、イギリスのGyron(2012)、ドイツのe-Shelter(2015)など、21カ国にデータセンターを所有しています。

多くは独自のブランドをローカルで維持していますが、中心的には、すべてNexCenterブランドとして展開されています。 これには商品の標準化も含まれます。 Adams氏は定期的にe-ShelterとNetMagicのトップと面会しており、次のように述べています。「我々が使用する発電機は異なりますが、SLAは同じものを提供しています。また、APIも共通のものを所有しています。」

Adams氏によると、Digital RealtyやEquinixのようなデータセンターの不動産投資信託(REIT)であることによる税制上の優位性はありませんが、彼らには多くの利点があるといいます。「REITは完璧な回答ではありません。」と、彼はREITは提供できるサービスに限られており、地域の多様性を持つLLCとして構成されなければならないと主張しています。「NTTは、REITが対処しなければならない問題に制限されない、大規模な非REITオプションです。」

NTTにとって米国が重要であるのは疑いようのないことです。同国はデータセンターの世界全体の売上の43%を占め、上位4市場は世界全体の売上の24%を占めています。「ヨーロッパ全土で売上全体の19%である一方、シカゴ、テキサス、シリコンバレー、バージニア州北部を合わせると世界市場の24%の売り上げを占めています。」

Adams氏はNTTがそういった強固な裏付けを持つことに喜びを感じています。彼は現在クラウド企業からビジネスを引き継いでおり、米国最大のデータセンターハブであるアッシュバーンでDCDにその成果を表明しました。

我々はVA1で彼と面会しました。そこはアッシュバーンのData Center AlleyにあるRagingWireの最初の施設です。VA1は78エーカーの土地に建設されており、その後の増築からデータセンター構築の急速なペースや、同社のアプローチの変遷がうかがえます。

完成した施設は他に2つ、建設中のものが2つあり、合計8棟の施設が存在します。既存のデータセンター3棟は1階建てです。VA1のキャパシティは14.4MW、VA2は14MW、VA3は16MWです。VA4、VA5は現在建設中ですが既に売約済みで、どちらも2階建てで32MWのキャパシティを誇ります。

「我々を止めるものは何もありません。「私達はVA4の建設と同時にVA5の事前建設を行っています。私達のファネルは十分に強力であり、すでにVA4の一部を事前販売しています。2019年8月までにVA4を構築した段階で、その多くはすぐに売れると予想していました。」

キャンパスが建設されている間に焦点が移り変わっていきました。VA1、VA2は基本的に現場組立でしたが、以降の施設ではモジュール化がなされました。「VA5がRagingWire 2.0のショーケースとなるでしょう。」

RagingWireは現在プレハブシェルを使用しており、施設がコンクリート固めの間に販売されます。同社はファイバーパイプと電力を持つサイトを用意し、シェルを発注しています。Adamsは「我々は施設に多くの製造業者を雇っており、それゆえ事前販売を始めています。」と語りました。「建物は2ヶ月以内に乾燥し、完成します。」

このサイクルにより、同社は売り出しにすぐに着手することができます 。また建設工程を冬からずらすことで、より早くより安価な建設が可能になりました。「安価で済むタイミングで建設します。雪や泥、雨が多い冬は避けましょう。」

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