
FCC、米国での銅線ネットワーク廃止を加速する新規則を採択
海外委託してきた通信コールセンター業務を米国内に呼び戻す狙いも
米連邦通信委員会(FCC)は、米国における銅線ネットワークの廃止を加速させる新たな規則を採択しました。
この新規則の一環として、ネットワーク移行に関する規制要件を緩和する一方、通信事業者に対して「従来の音声サービス、低速データ通信サービス、および銅線を通じて提供される相互接続型VoIP(Voice over IP)サービスを新規受付停止 (グランドファーザリング) とする権限」を付与しました。
FCCによると、これにより通信事業者は年間で数百億ドル規模の資金を捻出でき、その資金を各社の高速ネットワーク展開に振り向けることが可能になるとのことです。
今回の変更は、今月初めに銅線ネットワーク撤去を加速させるための採決を行う計画を発表したことを受けたものです。AT&Tを含む米国の通信事業者は、光ファイバーの導入を優先するため、従来の銅線ネットワークを廃止と撤去を推進してきました。
FCCは、一部の規制上の障壁を取り除くことで、通信事業者がネットワークの近代化に投資できるようになると述べています。これまで通信事業者は、全米各地域で銅線ネットワークを廃止するためには、都度許可を求める必要がありました。
FCC委員長のBrendan Carrは、次のように述べています。「本日(3/27)の決定は、米国が現代的で高速なネットワークへ移行するうえで重要な一歩です。長年にわたり、時代遅れの規則や規制によって、通信事業者は老朽化した銅線インフラの維持を強いられ、利用者は壊れかけの旧式ネットワークを使い続けざるを得ませんでした。その結果、非常に大きなコストが発生していたのです。ある通信事業者は、利用者が減少しているにもかかわらず、銅線ネットワークの維持に年間約60億ドルを費やしていると報告しています。しかしそれも今日で変わります。今回の採決により、こうした数十億ドル規模の資金が事実上解放され、米国の利用者が求め、必要としている現代的で高速なネットワークへのアップグレードが可能になります。」
FCCは、911(消防、警察への救急通報番号)などの重要なサービスは今回の決定によって影響を受けないとしています。一方で、この規則は州や地方自治体の要件よりも、連邦の権限を優先する内容になっていると警告しています。
通信事業者はこの決定を歓迎しており、Wireless Infrastructure Association(WIA:無線インフラ協会)もFCCがネットワーク近代化プロセスを合理化したことを評価しています。
Wireless Infrastructure AssociationのCEOであるPatrick Halleyは、次のように述べました。「現代の通信ネットワークへの効率的な投資を阻害する、時代遅れの規則を改めるのは当然の判断です。今回のFCCの決定により、ネットワーク事業者は無線を含む次世代ブロードバンド技術に、より効果的に投資できるようになります。これにより、全米の利用者が将来に対応した最新の接続環境の恩恵を受けることができます。」
FCC、通信会社のコールセンター業務の米国内回帰も目指す
同日(3/27)、FCCは、これまで海外に委託されてきた通信コールセンター業務を米国内に戻すための計画も提案しました。
同局は、海外のコールセンターの利用状況を調査する新たな手続きを開始することを決定したと発表しました。この手続きの一環として、FCCは企業がコールセンター業務を米国内に戻すことを促す提案について意見募集を行うとしています。
こうした計画により、電話対応担当者にはアメリカ標準英語を十分に使いこなす能力が求められるとしています。
FCCの発表では、コールセンター業務を海外に委託するという判断が、意思疎通の障壁となり、顧客がより質の低いカスタマーサービスを受ける結果につながってきたと指摘しています。
さらに、これらの海外コールセンターについて、「米国の家庭や企業を悩ませているロボコール(自動音声電話)の急増にも寄与してきた」としており、悪質な業者が正規のコールセンターの研修やインフラを悪用して米国人をだましていると警告しています。
FCC委員長のBrendan Carrは、次のように述べました。「海外のコールセンターは、分かりにくい対応、サポートの遅れ、さらにはセキュリティリスクをもたらしてきました。多くの場合、詐欺師は正規のコールセンターで訓練を受け、違法に個人データへアクセスしたり、その知識を海外の自動音声電話詐欺に持ち込んだりしています。こうした海外への業務委託は、もはや終わらせる時です。」
なお、Coxとの345億ドル規模の合併を完了させる予定のCharter Communicationsは、すでにコールセンター業務を米国内に戻す方針を表明しています。一方、AT&T、Verizon、T-Mobileはいずれも現在、海外のコールセンターを利用しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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