Kepler Communications、光通信衛星の初期打ち上げを1月に計画

カナダの中小企業、政府向け光通信衛星間ネットワークの相互運用性ロードマップを策定

Kepler Communications(Kepler)は、2026年1月に光通信データ中継衛星10基の初回分を打ち上げることを約束し、政府および商業顧客向けに軌道上コンピューティングと、ホストペイロードサービスを提供する同社のコンステレーション展開を開始します。

オンタリオ州に拠点を置くKepler Communications Inc.は、宇宙・航空・地上との接続が可能な最低4基の光通信端末を搭載した300kg(661ポンド)級の衛星10基をカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceXのFalcon 9にて打ち上げ軌道に投入し、光通信コンステレーションを展開します。

KeplerのCEO兼共同創業者であるMina Mitryは、声明で次のように述べています。「光通信データ中継は、宇宙システムの通信、運用、価値提供のあり方を再定義します。従来のRFリンクによる遅延問題やボトルネックを排除し、データを光速で継続的かつ安全に転送できます。リアルタイム接続と軌道上の高度なコンピューティングにより、防衛・情報収集、リアルタイム状況認識、商業イノベーション、有人宇宙活動に新たな可能性が開かれます。」

このシステムは米国宇宙開発庁(SDA)の光通信標準との互換性を考慮して設計されており、政府と商業の接続間でシームレスな相互運用性を目指しています。

コンステレーションはIPベースのメッシュネットワークとして機能し、衛星間でデータを選択的にルーティングすることで、高速かつ耐障害性の高い通信を実現します。

軌道上のコンピューティング能力は、分散型GPUおよびCPUによる処理とストレージをサポートし、宇宙ベースのクラウド機能を備えたスケーラブルなエッジ処理の運用を目指しています。モジュール設計により、ホストペイロードがセンサーやその他のハードウェアをKeplerのプラットフォームに統合できるようにし、顧客が宇宙機や地上インフラを購入する必要をなくすことでコスト削減を図ります。

今後のフェーズでは、100Gbps級の光通信技術を搭載した衛星を投入し、既存世代との下位互換性を維持しつつ、SDAおよびESTOLの光通信標準との相互運用性を確保する計画です。

Keplerは今年、カナダ宇宙庁(CSA)から1,420万カナダドルの資金の一部を受け取り、20件の先進的宇宙技術プロジェクトを推進する18社の一員となりました。

また、同社は「軌道クラウドインフラ」構築のために50万ドルを調達し、政府による戦略的能力構築への関心を示唆しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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