ダイキン工業、液体冷却企業Chilldyneを買収

空調機器メーカーのダイキン工業は5日、子会社のDaikin Applied Americasを通じてダイレクト・トゥ・チップ冷却システムを提供するChilldyne(チルダイン)を買収したと発表しました。取引条件についてはまだ明らかにされていません。

「今回のChilldyne買収により、Daikin Appliedはお客様の進化するニーズに対応し、性能と稼働率の新たな基準を確立する包括的なデータセンター冷却ソリューション群を提供できる態勢を整えました」と、Daikin Applied Americasの西脇 優最高執行責任者(COO)は述べています。

「Chilldyneの負圧技術は従来の正圧システムに比べコスト面と稼働時間の面で優位性を持ち、当社の事業を高性能データセンター冷却分野のリーダーとして位置づけるものです」

Chilldyneの特許取得済み液体冷却分配ユニット(CDU)技術は、チップレベル冷却を実現しつつ漏水リスクを低減する負圧システムを採用してており、最大300kWの冷却能力を提供します。同社はコールドプレート、ラックマニホールド、監視ソフトウェアも提供しています。

「Daikin Appliedに加わることで、我々の第2世代液体冷却エコシステムは急速に拡大し、グローバルなデータセンターでの採用が可能となります」と、ChilldyneのCEOであるSteve Harrington博士は述べています。「我々の堅牢なシステムを広く展開し、液体冷却の未来への移行を円滑にするため、共に取り組んでいくことを楽しみにしています。」

ダイキン工業は、Chilldyneの買収が「ハイパースケールデータセンター向け冷却ソリューションの包括的エコシステム」を提供する広範な戦略における「重要な一歩」であるとコメント しています。

ダイキン工業傘下のDaikin Appliedは、先進的な商業用・産業用空調システムの設計・製造を手掛けており、データセンター顧客向けに空冷式、水冷式、ハイブリッド式システムを提供しています。

同社は今年初め、サンディエゴに拠点を置くデータセンター向け高密度冷却キャビネットおよび管理ソフトウェア開発企業DDC Solutionsを買収しました。

なお、本取引において、CapM Advisors社がChilldyneの専属財務アドバイザーを務めました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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