Gates、環境に優しい液体冷却ホースを発表

GFも新たな配管ソリューションを発表

冷却装置専門メーカーのGatesは、液体冷却システム向け新型ホースを発表しました。同社によると、これは同社史上最も環境に優しい製品だとのことです。

このニュースは、他の冷却装置ベンダーであるGFが最新の冷却技術革新を発表したのと時を同じくして伝えられました。その技術革新とは、冷却分配ユニット ( CDU ) とコールドプレートを接続するポリマーベースの配管システムです。

Gatesはエコの達人

Gatesは、新ホース「Data Master Eco」について「持続可能で効率的な製造プロセスにより液体冷却性能を再定義する」と説明しています。

このホースはハロゲンフリー設計が採用されており、「信頼性や安全性を損なうことなく環境負荷を低減するクリーンな代替案を提供する」とのことです。

また、同社はData Master Ecoの製造プロセスを合理化し、従来ホース材料の硬化・強化に用いられていた天然ガス、水、蒸気を排除することで、代替品と比較してエネルギー使用量を約75%削減したと述べています。同社の先進的な硬化方法は、発生源での炭素排出量を削減し、生産効率も向上させます。

結果として、新ホースは従来世代比で15%軽量化されているようです。

GatesのIvo Jurek CEOは、次のようにコメントしました。「Data Master Ecoと当社の幅広いデータセンターソリューション群は、高付加価値・高成長市場をリードする戦略を体現しています。」

「AI対応データセンターが市場需要に応じ拡大し、高度な熱管理ソリューションの必要性が不可欠となるなか、当社は次世代グローバルインフラを定義する、用途特化型の高性能液体冷却技術の提供に注力しています。」

1911年にタイヤ・ゴムメーカーとして創業したコロラド州拠点のGatesは、現在では材料科学、流体輸送、熱管理の専門知識を活かし、データセンター冷却業界向け液体冷却ソリューションを開発しています。

GFのポリマーパイプ

一方、スイスのベンダーGFは、CDUからラックへの冷却液の流れを管理できるポリマーパイプシステム「LiquidCore」を発表しました。

同社によると、LiquidCoreは「高性能ポリマーパイプ、継手、バルブ、アクチュエーター、計装機器、設計済みマニホールド、接合ソリューション、精密設計・プレファブ化を統合ソリューションとして組み合わせることで」、液体冷却データセンターのニーズに対応するとのことです。

GFは顧客仕様に基づき、配管を設計・製造後、プレファブ状態で現場へ出荷し設置を行います。

GF Industry & Infrastructure Flow Solutionsのデータセンター部門グローバル責任者、Charles Fredaは次のように述べています。「LiquidCoreにより、当社の材料技術とグローバルな設計・プレファブ製造基盤を融合させ、AIコンピューティングの効率的かつ持続可能な拡張を支援します。チラーからチップまでをカバーするポリマー製品のラインアップを拡充することで、データホール向けの革新的なソリューションを通じ、データセンター冷却環境全体に向けた完全統合型フローソリューションを実現します。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。