
Power Mining、暗号通貨マイニング用コンテナを熱再利用へ
スカンジナビアの町に1.52MW分のポッドを導入予定
暗号通貨マイニング機器メーカーが、ビットコインマイニングの余剰熱を自治体の暖房網へ再利用する ポータブルデータセンター を開発しました。
ラトビアに拠点を置く Power Mining は、輸送用コンテナに収められた同社のデータセンターモジュール1基で、年間最大 9.7 BTC をマイニング しつつ、約2,000世帯を暖房できる と見積もっています。
最初の2基はスカンジナビアの町に発送され、そこで自治体に 1.52MWph を提供します。
データセンターは 30万ユーロ(34万9,000ドル)から で、各コンテナには 20台の Whatsminer M63S++ マイニング装置を備えた8つのサーバークローゼット が収められています。
サーバークローゼット内で温められた誘電流体は 1.7MW の熱交換器 に送られ、そこでデータセンターの熱が町の暖房網に再分配されます。
Power Mining は声明で次のように述べています。
「このように野心的で技術的要求の高いプロジェクトを信頼してお任せいただいたパートナーの皆さまに心より感謝しております。これが始まりにすぎず、このモデルをさらに拡大し、ビットコインマイニングが町の暖房システムを強化し、廃熱を削減し、地域社会に実質的な価値をもたらすことを示す機会になることを願っています。」
欧州委員会のデータによると、データセンターは現在、欧州の電力消費量の3%以上 を占めており、今後数年でその数値は大幅に増加すると見込まれています。
EU の最新のエネルギー効率指令では、データセンター事業者に対し、廃熱を再利用して地域ネットワークに供給することが推奨されています。
年間 約150TWh の電力を消費していると推定される欧州のデータセンターは、廃熱を収集して暖房に再利用すれば 最大1,000万世帯を暖める可能性 があると Power Mining は述べています。
同社は次のようにも述べています。
「パッシブ暖房型データセンターの開発は、ビットコインマイニングのエネルギー効率向上に向けた一歩です。
従来型データセンターは約27°C(80.6°F)の熱しか回収できませんが、Power Mining のデータセンターは 65°C(149°F)まで の熱を回収でき、都市により効率的な熱源を提供します。」
Power Mining は現在、こうした廃熱回収技術の開発に重点を置き、集中型暖房網とのさらなる統合を進めているとしています。
同社は2017年の創業以来、100基以上のコンテナ型データセンターを構築・出荷し、2025年には 年間売上500万ユーロ(582万ドル)を突破 しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















この記事へのコメントはありません。