
米上院民主党、データセンターの電力網負荷を抑制する法案を提案
電力網運用者に、データセンター向けの負荷接続キューを設置することを義務付け
米国上院で、新たな法案が提出されました。この法案は、大規模データセンターが電気料金や電力網の信頼性に与える影響を抑制するため、専用の系統連系キュー(インターコネクションキュー)やデータセンター専用の料金区分を創設するものです。
この法案である「Power for the People Act of 2026」は、ChrisVanHollen上院議員と複数の民主党共同提出者によって提出されました。法案は、連邦エネルギー規制委員会(FERC)に対し、送電網運用者に「データセンター負荷キュー(data center load queues)」の設置を義務付けるよう指示する内容です。このキューにより、電力会社や系統運用者は、送電網の信頼性や電気料金への影響に応じて、データセンターの系統接続を優先または遅延させることができるようになります。
共同提出者には、民主党上院議員であるDickDurbin、RichardBlumenthal、CoryBooker、TammyDuckworth、TinaSmith、AngelaAlsobrooksが名を連ねています。
支持者によれば、この法案は、急速に増加するデータセンターの電力需要が、家庭や企業の電気料金を押し上げているという全米の懸念に対処することを目的としています。法案は、2028年までにデータセンターが米国の電力需要の6.7~12%を占める可能性があるという予測も引用しています。
この提案のもとでは、系統接続を希望するデータセンターに対し、新たな発電設備のを系統に接続、蓄電設備の配備、あるいは割り込み可能な負荷契約への合意などによって、負荷を相殺することが求められます。また、低炭素またはゼロカーボン電力を供給し、送電系統網の柔軟性に寄与する施設は、キューで優先順位が与えられます。
法案では、電力事業者に対し、データセンターが必要とする地域送電網の設備増強費用を一般の料金支払者に転嫁するのではなく、該当データセンターに直接負担させることも求めています。さらに、各州に対し、データセンター専用の料金区分を設けるよう促しています。それには、最低需要料金、長期契約条件、より高額の相互接続保証金などが含まれます。
VanHollen上院議員は、声明で次のように述べています。「電気料金上昇の唯一の原因ではないものの、新たなデータセンターの電力需要が米国民の光熱費に重大な影響を与えており、その影響は拡大していることは明らかです。」
FERCは、法案が成立した場合、180日以内に施工規則を発行しなければなりません。また、すでに相互接続されていないデータセンターは、新たなキューシステムを経なければ送電網との接続が許可されなくなります。
この法案が成立すれば、大規模データセンター開発が送電網や電気料金へ与える影響を規制する、連邦レベルで最も踏み込んだ取り組みの一つとなります。いくつかの州ではすでに、同様の立法が提案または成立しており、新たな発電・送電インフラの費用を一般の消費者が負担しないよう保護する動きが広がっています。
オハイオ州は、このような立法を最初に可決した州の一つで、オハイオ州公共事業委員会(PUCO)は、7月に新たな料金区分を承認しました。このルールでは、オハイオ州内の新たなデータセンター事業者は、実際の使用量が少ない場合でも、施設に電力を供給するためのインフラ整備費用を補うため、一定割合の電力料金を支払わなければなりません。
これに先立ち、4月にはオレゴン州下院が、規制当局に対し、新たなインフラの主要受益者が誰であるかを判断し、それに応じて費用を割り当てる権限を付与する法案を可決しました。
その後、9月には、バージニア州の主要電力会社であるDominionEnergyがデータセンター向けの新たな料金区分を提案しました。これは、25MW以上の電力を消費し、月間負荷率が75%を超える事業者を対象とするものです。この提案が通れば、バージニア州管轄地域内にある約450か所のデータセンターの多く、あるいはほぼすべてが新たな顧客区分として分類されることになります。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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