アリババが語る、アジア地域でのデータセンター選定
「東南アジアでは、ECならアリババの方がAmazonより存在感あり。」
CEOであるジャック・マーは、インドネシア政府のECアドバイザーを担うなど、影響力は抜群です。クラウド事業(Alibaba cloud)の海外展開に注力する今、データセンター選定の重要性を語りました。
-Data Center Dynamics
————<記事翻訳>———-
Alibaba Infrastructure ServicesのシニアアーキテクトであるLeo Chen氏は、インドネシアを含め、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、中東など多くのDCやそれを取り巻く厄介な問題を数多く調査してきました。
2017年4月6日にインドネシアで開催されたデータセンターイベント(DataCenterDynamics主催)においてChen氏は、データセンター選定の際はネットワーク速度・待ち時間・税制面において優位性があるデータセンターを探すべきだと述べました。
<まずは、ビジネス要件を理解すること>
データセンタープロバイダーや、データセンターサイト選定の第一歩は、ビジネス要件を理解し、技術上の優先事項を明確にすることです。例えば、サービスが要求する待ち時間( レイテンシ )は一つの重要事項です。
「アプリケーションのサービス内容に応じて、データセンターに求められる要件も異なります。例えば、Google mapのような[マッピングアプリ]の場合、待ち時間にそこまで気を使う必要はありません。運転している時に、0.5秒のタイムラグが生じても、それくらいの長さであれば気にする人はいないでしょう。ですが、、この0.5秒という同じ時間の遅れは、ゲーマーの皆様にとっては、受け入れがたい長さとなります」
「レイテンシを意識する必要があるアプリケーションには、クラウドアプリケーション、電子商取引、金融アプリケーションなどがあり、反面、ソーシャルメディアは比較的寛容です。たとえば、Facebookはインドネシアに主要なデータセンターを持っていないですが、同国内の顧客にサービスを提供し続けています。」と同氏は指摘しました。
以上のような、ビジネス要件を理解することに加えて、税の免除や一部払い戻しなどのプログラムが利用できる国・州を選定することも、重要な要素になると述べています。
<優れたデータセンターとは>
技術的に優れたデータセンターが持つ特徴とは何でしょうか。
Chen氏は、数多くのデータセンターを調査し、その機能をリストにして技術的に優れているデータセンターの特徴を明らかにしようとしましたが、「共通して当てはまるような絶対的仕様はない」ということを強調しています。
アジアにおいては、香港のような成熟市場ではどれだけネットワークに素早く接続できるかが重要であるとChen氏は強調したが、比較的データセンター産業が発展していない地域では、同じスピードのサービスを提供するまでに2〜3年の遅れがあるとも述べています。
データセンターを選定する際は、コロケーションデータセンターの背後にいるベンダーを理解することも重要だとChen氏は述べました。事業者によっては、冷却施設の保守など、業務の一部をアウトソースしている場合もあり、誰が何を提供しているのか注意深く確認する必要があります。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。