Galway City, Ireland

アイルランド高等法院、Appleのゴールウェイデータセンターの計画許可延長を覆す

アイルランドの高等法院は、Appleがゴールウェイのアセンリーにデータセンターを建設するための時間的猶予を与えるという決定を覆しました。

昨年、ゴールウェイ郡議会は、Appleが土地の売却を検討しているにもかかわらず、長らく延期され、中止される可能性が高いデータセンターの計画許可を延長しました。

Appleがこの土地でデータセンターの開発をまだ希望する場合、計画許可を再申請する必要があります。

Appleが最初にこの土地を約1500万ドルで購入したのは、2014年にさかのぼります。8億5000万ユーロ(約998億円)、26万3000平方フィート(約24000平方メートル)のデータセンターを建設する同社の計画は3年後に地元議会で承認されましたが、上訴によってアイルランド計画委員会(An Bord Pleanála)と商事裁判所に案件が持ち越され続けました。

同社の計画に抗議する声も上がり(賛成派のデモ行進も)、開発中止を訴える環境保護運動家も現れました。その他、裁判官の不足ハリケーンの影響で裁判所が閉鎖されるなど、裁判所の問題で何度も計画が延期されました。

その後、Appleは2018年に計画を断念し、アイルランドのレオ・ヴァラッカール国家元首(当時)が「何でもする」と約束したにもかかわらず、2019年に土地を売りに出しました。買い手は見つからず、最近になって、この土地はまだ売りに出されていると報じられました。この長時間の失敗を受け、アイルランドはデータセンターの計画プロセスをより迅速なものにするために改訂しました。

土地の売却努力が続く中、Appleはこの土地の計画許可を2026年11月まで延長するよう申請しました。

申請書には、「計画認可後に開始された司法手続きの遅れや、最近ではCovid-19の大流行による昨年の複雑な状況により、この開発は実現しませんでした。」と記載されています。

「この延長は… 対象となる開発を促進するための適切な時間を提供するために求められています。適切な開発業者が見つかれば、このプロジェクトは可能な限り早く実施される予定です。」

この延長は昨年8月に認められましたが、地元住民はすぐにこのプロジェクトに異議を唱え、高等法院に提訴しました。

アラン・デイリー氏の自宅は建設予定地の近くにあり、住民の意見は考慮されなかったため、延長は無効であると主張しました。また、二酸化炭素排出目標などの環境政策は、Appleの最初の申請から大幅に変化しており、再評価が必要だと主張しました。

このプロジェクトが持ち上がってから8年の間に、アイルランドでのデータセンター建設は、施設が送電網を圧迫する危険性もあり、より困難になっています。

国営電力会社Eirgridは、ダブリン広域圏でのデータセンター新設を実質的に一時停止しており、アイルランド東海岸全域で許可を得るのはますます難しくなっています。西海岸のゴールウェイは、ダブリンのモラトリアムによる直接的な影響は少ないものの、アイルランド全体の電力問題に巻き込まれています。

EirGridは、現在アイルランドでデータセンターが使用している電力は全体の12%であるとし、2030年までに21~30%に増加する可能性があると警告しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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