British Airways (BA)

ブリティッシュエアウェイズ、700のシステムをクラウドへ移行

90億ドルのモダナイゼーションプログラムの一環として

ブリティッシュエアウェイズ(British Airways:BA)は、700のITシステムのクラウドへの移行を含むモダナイゼーションプログラムに70億ポンド(約90億1000万円)を投資します。

このプログラムには、人工知能(AI)や空から地上への顧客サービスの展開も含まれます。

BAの「In the Skies」イベントで CEO Sean Doyle により発表されたトランスフォーメーションプログラムは今後2年間にわたるもので、顧客体験を向上させることが期待されていると述べました。

計画されている投資のうち、7億5,000万ポンド(9億6,610万ドル)はBAのITインフラに充てられ、来年初頭までに700のシステムと数千のサーバーをクラウドに移行します。同社はどのクラウドプロバイダーを利用するかは公表してませんが、2015年にはJuniper Networksのプライベートクラウドの顧客でした。

過去6年間、BAはデータセンターの故障によるIT障害に何度も見舞われており、2022年には2月にロンドン・ヒースロー空港からの短距離便の全便欠航を余儀なくされたほか、12月にも一晩中フライトの欠航を余儀なくされました。

2017年にはCBREのデータセンターで障害が発生し、3日間で672便が欠航しました。BAはこの障害をめぐるCBREとの紛争を2019年に解決しました。

同社は2021年、データ漏洩をめぐって情報コミッショナー事務局から2000万ポンド(約2574万円)の罰金を科されました。

クラウド移行に7億5,000万ポンドを投じるのに加え、BAは予約から手荷物処理に至る業務全体への機械学習、自動化、AIの導入に1億ポンド(1億2,900万ドル)を投じる予定です。

「革新的な新しいツールは、遅延を予測し(混乱を減らすための先手を打つ行動を促し)、リアルタイムの天候、航空機のキャパシティ、顧客との接続データを分析し、チームがより良い意思決定をするのに役立ちます。」とBAは述べています。

BAはまた、マイクロソフトが同航空のために開発したWiFi対応の機内カスタマーケアサービスを導入した最初の航空会社でもあります。このシステムにより、地上のケアチームは客室乗務員とコミュニケーションをとり、フライトが到着する前に問題を解決することができます。

2023年には、他の2つの航空会社がクラウド移行を発表しました。Southwest Airlines はクラウドプロバイダーとしてAWSを選択し、LATAM AirlinesはGoogle Cloud Platformとの独占契約を選択しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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