
楽天モバイルが5G SA本格展開へ Cisco、Nokia、F5と提携継続
独自クラウド基盤「Symphony」で次世代通信を加速 アナリストはタイミングに驚きも
楽天モバイルは、日本における長年の懸案であった5Gスタンドアロン(5G SA)モバイルネットワーク展開のパートナーとして、Cisco Systems, Inc.(以下「シスコ」)、Nokia Corporation(以下「ノキア」)、F5, Inc.(以下「F5」)を選びました。
これは、通信ワークロード向けに構築されたシンフォニーのクラウドネイティブ・プラットフォーム上で展開される予定です。
楽天は、シスコのモバイルパケットコアポートフォリオを使用し、5GとAIサービスを展開します。F5は、自社のコンテナ型ネットワーク・ソフトウェアBIG-IP Next CNFsをシスコのパケットコアに統合し、5Gコアとオープンインターネットや企業ネットワーク間のトラフィックをセキュアに管理します。
ノキアは、5G SAコア向けに、認証、ユーザーデータ管理、シグナリング、アナリティクス、IMS音声をカバーするクラウドネイティブネットワーク機能(CNF)を提供します。CNFのライフサイクル運用は、マルチクラウド、マルチベンダー環境に合わせた同社の管理ツールによって自動化されます。
楽天は以前、5G SA展開においてシスコからNECに交代するとの見方を示していましたが、オープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)バックボーンを支える主要企業の1つとは関係を維持することになります。
Recon Analyticsのアナリスト兼ディレクターであるDaryl Schoolarは、SDxCentralに対して、パートナーリストにシスコが含まれていることに驚き、「発表ではシスコがどのようにコアネットワークを提供するかは曖昧だったので、シスコと楽天のどちらかがクラウドインフラに関して考えを変えたかどうかは分からない」と語りました。
マルチベンダー計画は継続
Daryl Schoolarによると、マルチパートナーの発表は、楽天とそのマルチベンダーレガシーにとっては通常通りのビジネスであるとのことです。
シスコの他に、ノキアとF5がすでにそのレガシーの一部となっています。F5は2019年、完全に仮想化されたクラウドネイティブモバイルネットワークの立ち上げをサポートするために日本企業と提携し、サービスの最適化と5G対応アーキテクチャの基礎作りを支援しました。
それ以来、F5のCNFは楽天クラウドで利用できるようになり、セキュリティ、ポリシー実施、IPアドレス管理、DNS解決を中心に調整されています。
一方、ノキアは2019年の楽天のプレローンチ段階でRANギアとモバイルトランスポートソリューションを提供しました。それ以来、両社はクラウドネイティブの統合と5Gの展開で協力し、楽天はNokiaの5G SA対応クラウドネイティブプラットフォーム「AirGile」を採用しています。
楽天は昨年、5G-Advancedの離陸に必要なフォトニック・メッシュ・モバイル・バックホールネットワークを構築するため、長距離およびメトロ光ネットワーク向けのノキアの波長ルーティング技術のテストも開始しています。
このような過去の経緯から、楽天モバイルがノキアを選んだことは、 Ericssonのような日本向けの5G SAにおける既存の主要プレーヤーがいたとしても理にかなっています。
2021年に5G SAの展開を開始したソフトバンクは、 Ericssonとの提携を拡大し、日本での5G単体サービスを拡大すると発表しました。
なぜこれほど時間がかかったのか?
Schoolarはまた、楽天の5G SAネットワークの展開ペースが比較的遅いと指摘しています。
楽天モバイルの5G SA展開は、ソフトバンクやNTTドコモなどの展開の後に行われるため、一部のアナリストは楽天の展開ペースが比較的遅いことに気づいているようです。
Daryl Schoolarは、「モバイルインフラ技術の最先端を行く企業として知られる楽天が、5G SAを展開するのにこれほど時間がかかったことに驚いている」と述べました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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