
AI負荷によるネットワーク動作の変化により、ネオクラウドが「ニューノーマル」を牽引
データから、AI主導のトラフィック転送がネットワークスタックの抜本的な再考を迫っていることが明らかに
CoreWeave、Vultr、Nscaleといったネオクラウド事業者は現在、業界の話題の中心となっており、次々と数十億ドル規模の投資を集めています。しかし、膨らんでいるのは資金だけではありません。新たなデータによると、これら新興クラウド事業者の台頭によってトラフィックが急増していることが明らかになりました。
Backblazeが四半期ごとに公開している「Network Stats」分析によると、ネオクラウドからのトラフィックは昨年7月から11月にかけて急増し、10月にピークを迎えました。
クラウドストレージ企業であるBackblazeは、この増加の主因はネオクラウドで取り込まれ活用されている膨大なデータセットにあると指摘しています。そして、この傾向は「ニューノーマル(新たな常態)」として2026年まで続く可能性が高いとしています。
BackblazeのテクニカルリードネットワークエンジニアであるBrent Nowakは、次のように説明しています。「AIほど急速にネットワークの挙動を変えている力はほとんどありません。このレポートは、AIがどのようにインターネット型トラフィックから、AIネイティブなインフラに必要とされる持続的かつ高帯域なフローへの転換を促しているのかを、業界に明確に示しています。」
AI主導のワークロード反転により、ネットワークの重心が東へ移動
第4四半期のデータでは、AI主導のデータ転送が主に「米国東部」地域に集中していることが明らかになりました。これは、北バージニア、ニューヨーク、アトランタといったネオクラウドの計算基盤ハブに近接したエリアです。例えばCoreWeaveはニュージャージー州でワークロードを支えており、Nebiusも同州に300MW規模の拠点を建設しています。一方、LambdaはEdgeConneXが建設する2つの施設を活用し、シカゴとアトランタで事業を展開しようとしています。
Backblazeのデータによると、これら地域におけるネオクラウドの活動は、AI計算リソースがより高密度に存在する東海岸側に偏っていました。
Nowakは次のように述べています。「パフォーマンスの観点から見れば、これは理にかなっています。AI向けデータ転送で安定した高帯域を実現するためには、レイテンシを低く抑えることが重要です。現時点では、その重力が活動を東海岸へと引き寄せています。」
従来型のコンテンツデリバリーネットワークやISPのトラフィックは、これまでと同様のパフォーマンス水準を維持している一方で、今回の調査結果は、ネオクラウドのトラフィックが一般的なインターネットやクラウドトラフィックとは本質的に異なる性質を持っていることを示しています。
従来のインターネットトラフィックは、多数のデータセンターと多様なワークロードが存在することで、出力も多岐にわたる「多様性」を特徴としてきました。しかし、AIを主軸とするネオクラウドの台頭により、Backblazeが指摘するように、より少数で規模の大きなデータセットが、永続的なエンドポイントやパイプライン間を短時間かつ持続的に移動する形へと変化しています。
Nowakは「この対比は、より広範なトレンドを示しています。AI時代のネットワーキングは、多対多の通信というよりも、特化したシステム間での持続的な高スループット接続が中心になっています」と述べています。
こうしたネオクラウドにおけるワークロード反転の結果、ストレージ、コンピューティング、ネットワークは、これまで以上に緊密に統合されつつあると同レポートは示唆しています。
すでに運用レベルでは、こうした統合の動きが見られています。例えばCoreWeaveのMission Controlは、12月のアップデート以降、GPU-as-a-serviceを利用する企業に対し、GPU、ネットワーク、ストレージのパフォーマンスをより可視化できるようにしています。
このような設計思想は、ネオクラウドにとどまらずハイパースケール領域にも広がっています。Vast DataのNvidiaベースAIアーキテクチャは、ストレージとデータベース処理サービスをAIサーバーに直接組み込む設計となっており、CoreWeaveだけでなく、MicrosoftやGoogle Cloudでも採用されています。
Backblazeもまた、 100 Gbps から 1Tbps までのクライアント転送をサポートする高スループットのクラウド ストレージ ソリューションであるB2 Overdriveによって、ネットワークの根本的な見直しに取り組もうとしています。
Nowakは「B2 Overdriveでは、モデリングが行われるネオクラウドとストレージの間に、直接的で高性能なパスを構築しました」と述べ、第4四半期のデータからも、顧客が高負荷のワークロードをサポートするために設計したとおりに同社のプラットフォームを積極的に使用していることが示されたと付け加えました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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