MS AzureがGCPを突き放しAWSのクラウドシェアを侵食 -Synergy報告
最新の四半期の結果では、3社とも収益は急増
Amazonは第1四半期で売上高44%増の1,000億ドルを報告し、一方Googleの親会社は23%増の460億ドルを報告しました。また先週、Microsoftは17%増の430億ドルの 四半期決算を発表しました。トップ3の数字の中で重要なクラウド部分を見ると、クラウド全体の需要が急増する中、Microsoft Azureは首位AWSのシェアを急追していることが分かります。
パンデミックがクラウドサービスやオンラインショッピングなどを後押ししたこともあり、3社とも収益予測を上回りました。Googleが今回初めてクラウド関係の数値を個別に報告したことで、アナリストがクラウド市場の現状をより把握できるようになりました。尚、Amazonは、先日CEOのJeff BezosがAWS CEOのAndy Jassy氏を新CEOに指名し辞任を発表しました。
No clouds in sight
これとは別に、Synergy Research Groupは、クラウドサービスに対する企業の支出を分析し、それらを370億ドル強、つまり年間で1,290億ドルとしています。この四半期の結果は前四半期から40億ドル増加し、2019年の第4四半期から35%増加しました。
クラウドは成長しているだけでなく、成長率も高まっています。Synergy Research Groupによると、AmazonとMicrosoftは世界のクラウドサービス市場の半数以上を占めており、Microsoftは20%に達し、Amazonは約32〜34%を安定的に推移しています。
Amazonの数値は、第3四半期に40億ドルであったCovid-19関連コストを取り込んでいることで、ボリュームが減少すると予測されているため、2021年度の第1四半期には約20億ドル程度に減少すると予想されています。尚、同社は昨年11月に最前線のスタッフに向けて1回限りの300ドルのボーナスを支払いました。世界中で働く130万人のスタッフ全員で見ると4億ドルになるため、これは丸め誤差の数値にすぎません。
AWSのクラウドコンピューティングビジネスは、年間で28%成長して127億ドルに達しましたが、それでも市場シェアはわずかに低下し、ウォール街の予測値であった128億ドルには達しませんでした。ただクラウド部門は収益性があり、利益は37%増の35.6億ドルに達し、Amazon全体の利益の半数強を占めます。全体として、Amazonの利益から顧客への商品の配送料を含むコストを差し引いたものは2倍の70億ドルを超えました。
比較として、Google Cloud(GCP)はシェアを約9%まで増やしましたが、安定的に損失を計上し続けています。第4四半期には38億3000万ドルの収益で12億4000万ドルを失いました。年間で見ると、Google Cloudは130億6000万ドルを受け取り、56億ドルの営業損失を出しました。
Alphabetの四半期の総収益は464.3億ドルでした。1年前の同じ四半期の375.7億ドルを23%上回った結果となりました。
一方、Microsoftの収益は、昨年比で17%増加しましたが、クラウド部門は34%増加しました。総収益は431億ドルで、営業利益は179億ドル(29%増)、純利益は155億ドル(33%増)でした。
MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は、次のように述べています。「この1年間で私たちが目撃したのは、あらゆる企業とあらゆる業界を席巻したデジタルトランスフォーメーションの第2波の夜明けであった」
SynergyのチーフアナリストであるJohn Dinsdale氏は、クラウドの成長率は実際には2四半期連続で増加し、市場にとって並外れたものであると述べています。「2020年はクラウド市場に大きな躍進をもたらした。第3四半期からの40億ドルの連続的な急増は、クラウド事業者の増分収益成長の新記録を簡単に打ち立てた」と、Dinsdale氏は述べています。「AmazonとMicrosoftが市場を覆い隠す傾向となってきている。Amazonのシェアは30%をはるかに超え、Microsoftは16四半期でシェアを10%から20%に増加させている」
小規模なクラウド事業者にもまだチャンスはありますが、Alibabaを除き、IBM、Salesforce、Tencent、Oracle、NTT、Baidu、SAP、Fujitsu、Rackspaceなどはすべて市場シェアを落としました。
Data Center Dynamics
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。