2020年はデータセンターのM&Aで記録的な年【Synergy報告】

合計でおよそ310億ドル(=約3.2兆円)

2020年は極端な一年であり、一世紀で最悪のパンデミックと深刻な経済ショックが市場を襲ったと言っても過言ではありません。

しかし、合併と買収の合計金額がすべての記録を上回ったデータセンター業界では、経済的楽観論のかけらが見られます。Synergy Research Groupの調査によると、これは2015年と2016年を合わせた数を超え、2017年以来達成されていない快挙の数字です。

今年1年は、データセンターのM&Aの取引額が約310億ドルに達し、2019年の150億ドルから大幅に増加しました。

そしてそれは依然上昇している

新型コロナに伴い、多くの取引が必然的に遅延したにもかかわらず、309億ドルという合計金額は、113件の買収取引を通じて実現されました。これは12月31日までにさらに増加する見込みです。例えば本日、DataBankによるzColoの買収は完了しましたが、Synergyのレポートでは11月末までの分しか追跡していません。

最大の取引は、Digital Realty(デジタル・リアルティ)によるInterxionの84億ドルでの買収でした。この取引は昨年成立しましたが、2020年の第1四半期に完了しました。しかしこれは10億ドル超規模の他の多くの取引や、20億ドルの二次株式上場などよって後押しされました。

2015から2020までの期間を通じて、デジタル・リアルティとEquinix(エクイニクス)は、以下を含む、これまでで最も多額の投資家であり、例えば2017年の76億ドル規模の デジタル・リアルティとDupont-Fabrosの合併や、エクイニクスの36億ドルのVerizonデータセンターの買収、38億ドルのTelecityの買収など、大規模な取引を通じて様々な企業を彼らの腹の中に収めてきました。その他買収を行った企業は、Colony、CyrusOne、GDS、Digital Bridge/DataBank、Iron Mountain、NTT、GI Partners、Carter Validus、QTS、Keppelなどです。

Synergyのチーフアナリストを務めるJohn Dinsdale氏は、2020年をデータセンターのM&A活動における「バンパーイヤー(当たり年)」と言い、次のように付け加えています。「我々は、さまざまな段階にあるおよそ70億ドルの取引やIPOについても認識しており、よって2020年に活発な活動があったにもかかわらず、パイプラインは引き続き堅調であると言える。新たな投資資金源を見つけようとする意欲は、データセンターの容量に対するほぼ無尽蔵の需要によって支えられている」

データセンターサービスの需要については特に何もなく、2019年にすでに動き始めていたトレンドもあり今年成長しましたが、パンデミックに伴い悪化しました。

繰り返しますが、パンデミックが引き起こした避けられない障害があったにもかかわらず、データセンター建設は今年も盛んでした。

これは、最近開催したDCDのヨーロッパ・カンファレンスでアナリストらが指摘したことであり、その中で不動産大手CBREのデータセンター・リサーチディレクターのPenny Madsen氏は、2020年のヨーロッパ市場におけるデータセンター建設はあらゆる予想を超えて成長し、そして事業者らはコロナ禍の影響で減速したプロジェクトの未処理分を処理しているため、この傾向は2021年まで更に続くだろうとしています。またこの傾向は、アメリカ大陸やAPACの一部など、パンデミックの影響を最も受けた他の地域でも見られるだろうと予想されています。

Data Center Dynamics

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