EU離脱やコロナ禍でも、ロンドンのコロケーション市場は欧州最大の成長率

Knight Frank調べ~ 最も選ばれるデータセンター建設地としてヨーロッパをリードするロンドン

今年ロンドンは、ダブリン、アムステルダム、フランクフルトを抜き、ヨーロッパ最大のコロケーション市場に躍進し、全世界でも2番目に大きな市場になりました。

これは、ヨーロッパ全体の市場をカバーするイギリスの不動産総合コンサルタント企業Knight Frankの最新のデータセンターレポートでの報告によるものです。

広範囲な成長

ロンドンは第3四半期だけで52MW(メガワット)を消費し、年初からの消費量は77MWであった2019年の倍に近い139MWになりました。 Knight Frankによるとロンドン全体の電力量は増加しています。

一方でフランクフルトは第3四半期に25MW、2020年全体では現時点で105MWと、ロンドンの後塵を拝しています。

またアムステルダムは、2019年に端を発するデータセンター建設のモラトリアム(一時的禁止令)の影響で、第3四半期は主要な動きは報告されておらず、2020年初からの消費量はわずか21MWでした。ただし、モラトリアムが解除されたことで、2021年中には データセンター の建設地として注目を集めると予想されています。

Knight Frankは、コペンハーゲン、マドリッド、ワルシャワといった都市が地域のパブリッククラウドのハブとして進化したことにより、2021年中にヨーロッパのティア2市場の重要性が増すだろうと考えています。また、今年はかなり落ち込んでいたパリの復活も期待されるとしています。

DC Byte社のデータを引用したKnight Frankの報告によると、総施設数でみると、36施設で795.8MWが構築されたダブリンは依然としてヨーロッパで最も人気のある市場で、続いて65施設で739.8MWのアムステルダム、そして137施設で728.25MWのロンドンが続いています。

ダブリンは、多くの企業、特に米国の多国籍企業の全ヨーロッパの中心拠点や本社を置く拠点として非常に人気のある都市で、地方自治体に提出された計画申請書によると、国営電力会社は今後数年間で需要が倍増するだろうと予想しています。

高額な不動産価格にもかかわらず、ロンドンが人気の場所になっているのは、ヨーロッパ最大の金融センターである事が大きな理由です。レイテンシ(遅延)を最小限に抑えるため、 顧客が取引を行う場所の近くにデータセンターを置きたいといったニーズです。EU離脱(Brexit)によるこの金融センターへの影響はまだ感じられていません。

一方、アムステルダムは、 高速なメトロファイバ網同様、米国とヨーロッパ間を繋ぐ15のインターネット 海底ケーブル のうち11本がオランダを経由しているという良好な通信リンクや、アムステルダム・スキポール空港経由の物理的なアクセス容易性からの恩恵を受けています。

Data Center Dynamics

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