
米国政府はFDCEAの失効を容認する方向か?
延長や代替案の計画はない模様
米国政府は、連邦データセンター強化法(FDCEA:Federal Data Center Enhancement Act)の失効を容認する可能性があります。
Wiredは、匿名の情報筋からの情報に基づき、トランプ政権と議会は、この法律を保護または延長する計画も、代替案を提示する計画もないと報じています。
2023年に可決されたFDCEAは、既に失効済みの「連邦データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)」の後継となる法律で、サイバー攻撃、データセンターの可用性、ミッションクリティカルな稼働時間、持続可能なエネルギー利用、物理的攻撃や自然災害に対する耐性に関して、連邦データセンターの最低要件を定めています。
FDCEAに基づき、米国行政管理予算局(OMB)は連邦データセンターのエネルギー効率および監視基準を施行しており、新規の連邦データセンター建設および改修には、データセンターのエネルギー効率専門家による評価が義務付けられています。また、OMBは各機関に対し、設計段階でエネルギーと水の使用量を考慮することも求めています。
Wiredによると、OMBの職員は、同庁がFDCEAをどのように段階的に廃止すべきか、あるいは同法の失効後も報告義務を継続すべきかについて、一切の情報を提供していないと述べています。同誌の取材に応じた職員は、これはトランプ政権がデータセンターの監督と規制に関して、より消極的な姿勢を取っていることを示していると語りました。
Wiredの取材に対し、匿名を希望する連邦政府一般調達局(GSA)の職員は、他の政権であれば数ヶ月前からさらなる計画を練っていたはずであり、計画が全くないのは異例であると話しています。
FDCEAの当初の共同提案者である Jacky Rosen上院議員は、電子メールによる声明で次のように述べています。「全国のデータセンターには重要かつ機密性の高い情報が保管されており、増大するサイバー攻撃や自然災害からそれらを保護する必要があります。私と私のチームは、FDCEAが今秋に失効する予定であることを認識しており、データセンターに保管されている米国民の個人情報が引き続き安全に保たれるよう、あらゆる選択肢を検討しています。」
トランプ政権のAIとデータセンターに対するアプローチは非介入主義的であるという主張は、今月、AIとAIデータセンター開発を支援する数々の措置や動きが明らかになったことで、打撃を受けています。現政権は、AIは経済成長と国家安全保障の鍵であると主張してきました。
6月2日に発令された、AIイノベーションと安全保障の促進を宣言する大統領令の中で、ドナルド・トランプ米大統領は、政府が「前政権が米国のAI開発者や研究者に課していた官僚的な制約を大幅に削減した」とし、代わりに「政府と産業界全体でAIイノベーションを奨励し、責任あるAI導入を加速させている」と述べました。
その週の後半、ホワイトハウスはAI標準・イノベーションセンターによるAIモデルレビューに関する公開報告書の公表を一時停止することを決定しました。また、別のAIに関する大統領令では、AI企業が最先端のモデルを公開前に連邦政府に自主的に提供するための新たな枠組みが提案されています。
そして月曜日(6月15日)、米国環境保護庁は、データセンターに対する全国的な環境基準を設けるよう求める声に対し、地方自治体がガイドラインを策定すべきだと主張し、これを拒否しました。
米国政府はまた、主にデータセンター市場からの電力需要の増加に対応するため、石炭火力発電所向けに7億ドルの支援策を計画していると報じられています。政府は、AIデータセンター部門からの需要を満たすために、国内の石炭火力発電所の大部分が廃止を延期すると見込んでいます。
一方で、データセンターのインフラ整備が住民の生活圏へと進むにつれ、データセンターに対する反対運動が全国的に高まっています。
数ある懸念事項の中でも、多くの米国民は、地元にデータセンターが建設されることで生じる主要な問題として、エネルギー価格の高騰と水使用量の増加を挙げています。Gallupによる最近の調査では、米国民の70%が地元におけるAIデータセンターの建設に反対しており、その反対理由は環境問題と生活の質の低下にあることが明らかになりました。
本記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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