トランプ政権下の司法省、国家安全保障を理由にxAIのデータセンター用ガスタービン訴訟の棄却を要請

イラン戦争で「Grok」が使用されていたことが判明

米国司法省(DoJ)は、xAIのデータセンターが数十基の天然ガスタービンを違法に稼働させていることで、テネシー州メンフィスの地域住民に対して汚染を引き起こしているとする訴訟に対して、連邦裁判所に棄却を求めました。

全米有色人種地位向上協会(NAACP)などの団体は、現在SpaceXの一部門となっている同社が、自家発電所の建築許可を取得していなかったと主張しています。

しかし司法省は、このAIデータセンターの自家発電所は「経済および米軍にとって不可欠」であると述べました。

「NAACPは、国防総省の軍事作戦を支えるAI技術の革新に必要な電力供給を止めようとしており、米国の国家安全保障、経済安全保障、エネルギー安全保障体制を脅かしている」と、司法省は棄却を求める申し立ての中で述べました。

司法省はまた、xAIのAIシステム「Grok」の継続的な運用と利用可能性は「国家安全保障上の最重要事項」であると主張しており、米国防総省の最高デジタル・人工知能責任者(CDAO)であるCameron Stanleyが、このモデルを支持する書簡を提出しました。

同氏は、Grok Gov モデルについて「他の最先端AIモデルには見られない機能を備えている」と述べ、さらに米国とイランの戦争の際には、Grokが「米軍が96時間以内に2,000の異なる標的に対して2,000発以上の弾薬を展開することを可能にした」と付け加えました。

xAIは、タービンを利用してColossus IおよびColossus IIの両データセンターに電力を供給しており、後者は「Grok(およびGoogle)」が使用しています。

前者(Colossus I )はAnthropicが使用しているもので、国防総省は同社がサプライチェーン上のリスクと見なし、軍事請負業者に同社との取引を停止するよう求めています。

NAACPは最初の訴状の中で「Colossusガス発電所は、窒素酸化物(NOx)やホルムアルデヒドなどの有害物質を大量に排出しており、これは暴露された人々の喘息、呼吸器疾患、心疾患、さらには特定のがんの増加と関連している」と述べています。

PM2.5と呼ばれる微小粒子状物質も、さまざまな健康問題と関連しています。

xAIは、大気浄化法の抜け穴を利用し、許可なしで最大35基の風力タービンを1年間稼働させていましたが、昨年、地元規制当局は2027年まで15基のタービンの稼働を認める許可を出しました。NAACPは、xAIがサウスヘイブンの施設で57基のガスタービンを違法に設置・稼働していると主張しています。

xAIは同地域に、3棟目のデータセンターの建設も計画しています。

この司法省の動きについて、NAACPおよび南部環境法センターを代理する環境法律事務所Earthjusticeの執行担当ディレクターであるLaura Thomsは、司法省の今回の措置は「裕福なテック企業が、汚染から人々を守るために制定された法律から免れようとするための必死の試みだ」と述べています。

さらに、次のようにも述べています。「トランプ政権下の司法省は、イーロン・マスク氏が率いるデータセンター企業xAIが違法な汚染行為について責任を問われるのを防ごうとしており、そのために、影響を受けた地域社会や裁判所、議会から権限を奪おうとしている。」

NAACPの環境・気候正義担当ディレクターであるAbre’ Connerは、次のように述べています。NAACPの環境・気候政策担当ディレクター、Abre’ Connerは次のように述べています。「一部の政府機関によって超富裕層が保護され、支援されているかのように見える今、汚染を排出する産業が、黒人コミュニティの健康を犠牲にして利益を得るようなことがあってはなりません。住民訴訟は、地域社会が汚染者に対して、被害をもたらす決定に対して責任を追及するための、いわば土台となる保険制度です。これは議論の余地のない事実であり、NAACPは今後も民主主義を守り、連邦政府による強圧や権威主義に反対し続けます。」

イーロン・マスクは2024年の選挙期間中、トランプ氏と共和党の同盟者を支援するために2億8,800万ドルを費やし、DOGEの取り組みの一環として一時的にホワイトハウス顧問も務めました。

今月、マスク氏はSpaceXの大型新規株式(IPO)公開を受けて、世界初の「トリリオネア(資産1兆ドル超の富豪)」となりました。同社は、法令を完全に遵守していると一貫して主張しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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