EUは、域内全体のデータセンター需要に対応するため、エネルギーシステムを強化する2つの取り組みを開始

電力網向けの初の汎欧州AI基盤モデルを開発するため、「AIグリッド」プロジェクトを立ち上げ

欧州連合(EU)は、データセンター部門からのエネルギー需要に対応するため、域内の電力システムを支援する2つの取り組みを開始しました。

1つ目の取り組みは、データセンター開発事業者、電力事業者、公的機関など、さまざまな関係者を集め、データセンターをEUの電力システムに統合することを目的としています。具体的な仕組みの詳細は明らかにされていませんが、報道によると、14の欧州関連団体が「意向表明書」に署名し、6の企業が「支持表明書」に署名しており、実施開始に向けた準備が整っていることが示されています。

2つ目の取り組みである、「AI グリッド計画」の開始も発表されました。これは、電力網(グリッド)向けの初の汎欧州AI基盤モデルを開発することを目指す、EUの大規模な取り組みです。この計画には、送電網事業者、研究機関、テクノロジー企業など48のパートナーが参加しており、電力システムの管理、計画、そしてレジリエンス(回復力)の向上を目指しています。

本計画は主に3つの重点領域に焦点を当てています。まず、複雑で構造的なグリッドの時系列データ、運用データセットを分析するためのAIフレームワークの構築に加え、発電および送電混雑管理に関するより効果的な予測機能の開発が含まれます。また、「欧州共通電力データスペース(Common European Energy Data Space)」に準拠した、安全で相互運用可能なデータ共有基盤の整備を確立を支援することに注力します。

現在、EU域内では約6.4GWのデータセンター容量が導入されており、より広い欧州地域全体を含めると9GWに達します。予測では、この容量は2030年までに2倍以上に増加するとされています。

EUは最近、「クラウド・AI開発法(CADA:Cloud and AI Development Act)」および「電力分野におけるデジタル化とAIのための戦略的ロードマップ」を提案しました。これら2つの政策は、迅速な許認可手続きやクリーン電力システムへのより良い連携強化を通じて、今後5〜7年で欧州のデータセンター容量を3倍に増やすことを目指しています。

「エネルギー分野におけるデジタル化とAIに関する戦略的ロードマップ」は、デジタルインフラを地域の電力網へ「持続可能」に接続し、需要側の柔軟性(デマンドレスポンスなど)を向上させるため、データセンター事業者、電力事業者、そして公的機関の3者間による「三者協定(tripartite agreements)」を義務付けています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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