カナダ政府がソブリンAIコンピュート戦略を発表

20億カナダ$の投資をコミットした3つの戦略

カナダ政府は、同国のAIエコシステムを支援することを目的とした3つの投資手段である「ソブリンAIコンピュート戦略」を開始しました。

2024年から25年までの5年間で、政府は20億カナダドルを投資し、カナダの研究者やAI企業が国際競争力を高めるために必要なツールを提供する新たな取り組みを開始すると発表しました。

このうち最大3億カナダドルは、AIコンピュートアクセスファンドを通じて中小企業に手頃な価格でコンピュートパワーを提供するために使われます。また、最大7億カナダドルは、新たに立ち上げられた「AIコンピュートチャレンジ」を通じてデータセンターの新設・拡張への投資を活用し、カナダのAI先駆企業の成長を支援するために割り当てられます。

そして、最後の10億カナダドルは、「変革をもたらす」公共スーパーコンピューティングインフラの構築に使用されます。

カナダ政府は声明の中で、ソブリンAIコンピュート戦略は「カナダ国民の声によって導かれる」とし、「カナダのイノベーター、企業、研究者が必要なコンピュート能力を利用できるようにする」ために、公共および商業インフラに「戦略的投資」を行うと述べました。

カナダのイノベーション・科学・産業大臣であるFrançois-Philippe Champagneは、次のように述べました。 「本日発表する戦略は、世界のAIリーダーとしてのカナダの地位を確保するための大きな一歩です。」

「私たちは、世界的なエコシステムの推進力となることを誇りに思っています。国内のセキュアなコンピュートキャパシティへのアクセスを増やすことで、企業、イノベーター、研究者がカナダ経済を活性化させ、世界の舞台で際立つことができるよう支援します。これは、カナダが野心を示し、国内のイノベーションを支援し、未来の経済に投資するということです。」

ソブリンAIコンピュート戦略に関する公開協議は2024年夏に実施され、研究、産業、市民社会の1,000人以上の関係者から意見を得ました。

カナダ政府によると、2019年以降、カナダのAIスタートアップ企業約670社と、カナダの生成AI企業30社が100万カナダドル以上の投資を受けているとのことです。

新戦略による最初の投資の1つは、Cohere、Coreweaveデータセンターになるようですが、詳細は公開されていません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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