
米国トップ3のクラウドプロバイダーがAkamai Cloudを採用
Akamaiのクラウドインフラサービス事業、前年比39%増で成長
Akamaiは、米国の「トップ」クラウドプロバイダー3社すべてがクラウドインフラサービスの顧客基盤になったと、CEOのTom Leightonが同社の2025年第3四半期決算説明会で明らかにしました。
具体的な社名は明かさなかったものの、同CEOによると、そのうち1社は「複数年にわたる契約更新」を行い、「Akamaiが彼らにとって主要な分散型クラウドコンピューティングプロバイダーであることを確固たるものにした」と述べています。
その後、取引がハイパースケーラーの容量確保に関する継続的な課題と関連しているかとの質問に対し、彼は次のように補足しました。「Akamaiには独自のプラットフォームがあります。我々のような企業は他にありません。4,000以上の拠点を持ち、すでに700以上の都市に展開しています。これは他に類を見ない点です。あるハイパースケーラーは広告ロジックをユーザーにより近づけるために我々を利用しています。別のハイパースケーラーはAPIオーケストレーションのために利用しています。これも高速でユーザーに近い必要があります。3社目のハイパースケーラーは、メディアワークフローのために我々のマネージドコンテナサービスを利用しています。これもまたユーザーに近いことが理由です。キャパシティ制約の問題ではありません。」
クラウドインフラサービス(CIS)の第3四半期収益は8100万ドルで、前年同期比39%増となり、第2四半期の「30%成長率から加速」しました。
同CEOは、当四半期に獲得した複数のクラウド契約についても言及しました。その中には「韓国の大手グローバル家電・消費者向け電子機器メーカー、シンガポールの多国籍金融サービス企業、米国の大手分析ソフトウェア開発企業、米国拠点のサプライチェーン計画ソフトウェアベンダー、欧州のサイバーセキュリティプロバイダー、米国の大手航空会社、米国の大手ビデオゲーム企業、インドを代表するメディア・エンターテインメント企業、そして世界最大級のメディア企業」が含まれます。
現在、Akamaiには収益の1%以上を占める顧客が6社あります。
電話会議では、NVIDIA RTX Pro 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載した、Akamaiの新規投入製品「Akamai Inference Cloud」に重点が置かれ、LeightonCEOは冒頭の発言の多くをこのサービスに割きました。
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高財務責任者(CFO)のEd McGowanによれば、現在このサービスは約17都市で提供されていますが、需要に応じて拡大される予定とのことです。同CFOは「新たなAI推論クラウドにより、膨大な活動量と需要が生じています。来年には、CIS事業の成長を加速できる可能性が非常に高い」と予測しました。
当四半期の設備投資(Capex)は2億2400万ドルで、前四半期の2億1400万ドルから増加しました。同CFOは、これはAkamaiが「急成長中のCIS事業」への継続的な投資に関連していると説明しました。今後の設備投資について同氏は、「当初、一部の顧客から(AI推論クラウドに関して)かなり大規模な要請が寄せられています。設備投資は、収益に極めて密接に連動し、需要によって決定します。従来、設備投資1ドルが収益1ドルに相当する指標を示しましたが、今回もほぼ同様です。稼働率次第では若干上回る可能性もあります」と述べました。
第4四半期の設備投資は、現在1億7100万~1億8100万ドルを見込んでいます。これにより、年間設備投資額は予想の上限値である8億4500万ドルに達する可能性があります。
事業全体では、Akamaiの売上高は前年比5%増の10億5500万ドルを記録し、そのうちセキュリティ事業が5億6800万ドルで最大の割合を占めています。GAAP基準の純利益は、1億4000万ドル(前年比142%増)です。調整後EBITDAは4億5800万ドルで、2024年第3四半期比8%増加となりました。
Akamaiは従来CDNサービスで知られていますが、現在は、クラウドとセキュリティ事業に注力しています。2025年2月に、マネージドコンテナサービスを開始し、3月にはクラウド推論サービスを開始しました。先月には、NVIDIAハードウェアを導入しサービスを拡充しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















この記事へのコメントはありません。