ノーチラス社、海水を利用した水冷式の「船上データセンター」構築
承認されれば、世界初の船上商業データセンターへ
カリフォルニアのスタートアップであるNautilus Data Technologies(以下、ノーチラス社)は、アイルランドのLimerick Docksに水上データセンターをドッキングする協定を結びました。アイルランド第2位の港湾運営サービス業社であるShannon Foynes Port Companyがサポートするようです。
同社CEOであるJim Connaughton氏は地元週刊誌に対し、「もし承認されれば、2020年にでもデータセンターを稼働可能にする計画です」と語りました。
今回のプロジェクトの費用は約3500万ユーロ(4000万ドル)にもなります。ノーチラス社にとっては、2015年にサンフランシスコベイエリアで水上データセンターのコンセプト・テストをして以来、初の配備となる可能性が高いです。
このデータセンターの仕組みは、停泊地に近い場所に船を配置することで、アクセスにも問題がなく効率よく ホスティング を行うように設計されています。また、サーバーの発熱などを冷却するためには空調機が必要ですが、冷却用のエネルギーには海水を利用した二次循環システムを通じており、水資源を一切消費しない効率的な作動を実現しています。
補足)同社のホームページからは、カリフォルニアにある同社初のデータセンターEli M.は PUE 値1.15以下、1ラックあたりの最大発熱量は105kWで、水冷を利用した アクティブ型リアドア空調機 を導入しているように見えます。
同社は昨年の資金調達(シリーズCラウンド)における2500万ドルのうち、1000万ドルをケッペルT&Tから受け取っており、2018年1月には船上を中心に据えたデータセンターをカリフォルニアのマーレアイランド海軍造船所にローンチすることを公表していますが、この進捗については定かではありません。
Limerick Docks地区の施設は、既存の船舶の大きさに合わせたもので、デッキ上の2フロアにまたがる4つのデータホールから構成され、冷却システム・電力システムは下の階に構築されます。そして、通常の停泊船のように、その船はドックと結びつけられ、通路を通じてアクセス可能になるようです。
Connaughton氏によれば、同施設は、多数の小企業あるいは少数の大企業のいずれに対してもサービス提供するだけの十分なキャパシティがあるようです。
Shannon Foynes Port Companyの最高経営責任者であるPat Keating氏は、「近年、Limerick Dogsエリアは何トンにも及ぶ船舶での輸出・輸入地域として繁栄しているが、今回のプロジェクトによって更なる可能性が広がります」と話しています。
– Data Center Dynamics
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