VantageがマレーシアのYondrデータセンターの買収を検討

両社ともDigitalBridgeが支援

Bloombergの報道によると、事情に詳しい関係者の話として、DigitalBridgeが支援するVantage Data Centers(Vantage)とYondr Group(Yondr)の間で、マレーシアのデータセンター資産の売却に関する協議が進められているとのことです。

この買収は、DigitalBridgeのポートフォリオを簡素化し、APAC地域での成長を促進する狙いがあるとされています。

取引額は、ジョホール州にあるYondrのデータセンターキャンパスを16億ドル(約2,350億円)と評価する可能性があり、アブダビ投資庁などの共同投資家も参加する見込みです。

両社の広報担当者はBloombergの取材に対し、コメントを控えています。

Yondrは2024年にDigitalBridgeとカナダのLa Caisseによって共同買収されましたが、現在はDigitalBridgeのポートフォリオ内で独立企業として運営されています。マレーシアのキャンパスはジョホール州のSedenak Tech Parkに位置し、72.5MWの容量を持ち、最終的には300MWまで提供する予定です。

2025年6月には、キャンパス内の最初のデータセンター(25MW)が予定より6か月早く完成し、鍵が引き渡されました。キャンパスは2022年3月に発表され、2024年3月に稼働を開始しました。9億ドル以上の資金調達によって支えられています。

現在、Yondrは83MW以上の運用容量を持ち、878MWの契約済み容量を確保しています。プロジェクトは米国バージニア州、カナダ、英国、マレーシア、インドネシア、日本、ドイツ、オランダ、インドなどで展開中です。

一方、DigitalBridgeはVantageの支援を続けていますが、2024年初頭に同社の支配権を手放しています。現在はSilver Lakeも支援しており、先月にはVantageのAPAC事業の持分売却を通じて最大10億ドルの資金調達を目指しているとの報道もありました。

Vantageは世界各地でデータセンターを運営しており、APAC地域ではオーストラリア・メルボルン、香港(火炭、葵涌、安樂)、日本・大阪、マレーシア・サイバージャヤ、台湾・台北に拠点を持っています。マレーシアのキャンパスはAPAC地域で最大規模で、467MWの容量を提供しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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