過熱するヨーロッパのデータセンター建設ラッシュ

フランクフルトが伸び、ロンドンは飽和状態、アムステルダム市内中心部は新設を禁止

不動産業者CBREによると、ヨーロッパの主要なデータセンター市場では建設ラッシュが激化しており、一部都市の市内中心部では新規建設が制限されてます。

ロンドンではデータセンターが飽和状態に達し、アムステルダムでは新しい建設が禁止され、市場は「新常態」に達した、とCBREはコメントしています。データセンター運用会社は、2016年以前のおよそ3倍のコンピューティング能力を持つ設備を一貫して構築しており、それらは米国のクラウドプロバイダー向けに大規模なホールセール施設に構築されています。

新常態

CBREのEU調査責任者であるMitul Patel氏によると、この新常態の動きとして、ロンドン、フランクフルト、アムステルダム、パリの4つの主要データセンター市場では、この1年で約195MWの電力容量が追加されたと言います。2013年から2016年の間では、年平均65MWの追加でしたが、2019年上半期には102MW、下半期は193MWと、今年は既に295MWの新規の電力容量が追加されました。

ロンドンでは昨年、77MWの容量が追加されました。その大部分はAmazon、Google、Microsoftの3社による購入であったが、彼らが当時必要としていた容量を全て購入した為、2019年の吸収が遅くなった。と同氏はその理由を説明しました。ロンドンの上半期は長年にわたる中でも最も厳しかったようでした。

彼は、フランクフルトがヨーロッパで今最も急成長している市場であると述べました。2019年の上半期には44MWを吸収し、フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリ(=FLAP)の4都市で消費された98MWのほぼ半分を吸収したようです。フランクフルトは、年末までにヨーロッパのどの都市よりも多くのデータセンター容量を吸収する予定だ、とPatel氏は言います。

「米国のクラウド企業は、フランクフルトを非常に重要な市場と捉えている。」とPatel氏は言います。ただ、フランクフルトの急速な成長にもかかわらず、ロンドンは依然その約2倍の規模を持ち、年末の時点でもフランクフルトより300MW近くの差がまだあるだろうと補足しています。

新常態は、通常よりも多くの ホールセールデータセンター 事業者を引き付けた、と彼は言います。彼らはFLAP都市に対し、およそ300MWもの新たな容量を建設し、そこで多くの収益を上げています。

同氏によると、現在ではさらに多くの事業者が出てきており、CyrusOne、Digital Realty、e-Shelter、Virtusなどの大手プロバイダが成長の多くを占めている訳では無いと言います。

Mitul Patel、CBRE– CBRE

「ロンドンとフランクフルトのホールセール事業者は、開発の規模を拡大した。」と言います。「顧客は大規模データセンターを迅速に要求している。顧客は需要を迅速に吸収する為、拡大のスピードが速く、よってデータセンター事業者はこれまで以上に大規模なデータセンターを構築しているのが現状である。」

このような強い需要もあり、従来10〜15MWで計画されていたデータセンターの設計容量の平均値はサイトあたり40〜50MWに押し上げられた、と同氏は述べています。この需要の多くは、米国の大手クラウド企業3社(Google, Amazon, Microsoft)からのものであり、3社で容量全体の約50〜70%を占めていると推測されています。

アムステルダムの需要も非常に高かったが、市当局が市中心部の大部分で新データセンターの建設を禁止しました。その結果、ビルダー(データセンター事業者)は郊外に移動しました。

Data Center Dynamics

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