2023Q4 コロケーション業績： Digital Realty、エクイニクス、Iron Mountain, American Tower, DigitalBridge

DRTは売上微減、エクイニクスはxScale部門が好調な四半期

Digital Realtyやエクイニクスなどデータセンター・コロケーションの上場企業が2023年第4四半期の四半期決算を発表しました。

Digitalの売上高は第3四半期からわずかに減少し、前年同期比では10％以上減少しました。同社は、オーストラリアのシドニーにある土地のオプション権を売却し、フランスのパリでこれまで賃貸していた土地を取得しました。また、英国ロンドン郊外のスラウ・トレーディング・エステートにあるシクステラ・データセンターの購入オプションを行使しました。

エクイニクスのxScaleハイパースケールビジネスは、90MWのリースで記録的な四半期となりました。Charles Meyers 最高経営責任者（CEO）は、同社は米国への事業拡大を検討していると述べました。このコロケーション会社は、以前リースしていたロンドンのサイトも取得しました。

Iron Mountain社は、4MWという比較的控えめな新規リースを獲得しましたが、年初の目標を大きく上回りました。同社は2024年に100MWを目標としています。

American Towerは当四半期の売上がわずかに伸び、2024年の売上目標を9億ドルとしています。

Digitalbridge は、2024年のデータセンター設備投資額を110億ドルと予測しています。

Digital Realty収益減少

Digital Realty（DRT）の2023年第4四半期の売上高は14億ドルで、前期比2%減、前年同期比11%増となりました。

2023 年第 4 四半期の純利益は 2,000 万ドル、調整後 EBITDA は 7億ドルとなり、前四半期から2%、前年同期から9%増加しました。

「第 4 四半期の業績は、 DRT にとって変革の年の集大成となりました。私たちは戦略的優先課題を達成し、この先にある大きなチャンスに備えました」と、 DRT 社長兼最高経営責任者（CEO）のAndy Powerは述べました。「第 4 四半期には、新たに 2 つの開発合弁会社を設立し、資本源を強化・多様化する一方、AI によって生み出される途方もない機会を捉えるため、ポートフォリオを進化させ続けました。」

この四半期には、GAAPベースで年間1億1,000万ドルの賃貸料収入が見込まれる案件がデジタル社に計上されました。その半分以上はEMEA（および主に1MW以上のセグメント）におけるもので、世界全体では1MW未満の案件の合計は4,000万ドル弱でした。同社はまた、当四半期中に2億1,000万ドルの年換算レンタル収入に相当する更新リース契約を締結しました。

さらに、 DRT は、オーストラリア、シドニーにある、面積 21 エーカーの第 2 区画の土地のオプション売却を約 2,900 万豪ドル（2,000 万米ドル）で完了しました。

DRT は、フランス・パリにある約 19 エーカーの土地を約 7000 万ユーロ（7700 万米ドル）で購入するオプションを行使しました。この土地は以前同社に賃貸されていたもので、現在、最大 77MWの IT負荷をサポートするために開発中です。

同社はまた、ギリシャ・アテネ近郊の既存キャンパスに隣接する約 3 エーカーの土地を約 600 万ユーロ（600 万ドル）で取得することも発表済みです。

DRT は、英国ロンドン郊外のスラウ・トレーディング・エステートにあるサイクステラ・データセンターを購入するために、以前発表したオプションを行使しました。

GI Partners はまた、イリノイ州シカゴの安定化したデータセンタービル 2 棟の権益 15 %を追加取得するオプションも行使しました。GI は、昨年取得した 65 %の権益を 80 %に増やし、デジタル・リアル ティに約 6800 万ドルの総収入をもたらしました。

DRT は、2024年の総収益を55億5,000万ドルから56億5,000万ドル、調整後EBITDAを28億ドルから29億ドルと予測しています。同社には4億9500万ドルの受注残があり、その3分の2は今年開始予定です。

2024 年の設備投資額は 20 億～25 億ドルになる予定です。 DRT は、12 月 31 日現在、約 174 億ドルの債務残高があります。このうち2024年に満期を迎えるのは10億ドル未満です。

決算説明会でPower CEOは、バージニア州ラウドン郡にある同社の発電容量（現在合計約100MW）の実質的すべてについて、「一握りの顧客と活発な交渉を行っています」と述べましたが、まだ何も最終決定していないと述べました。

買収についてPowerは、重要なパズルのピースは「選びつくされた」ので、将来のM&Aはコア・プラットフォームへの「ボルトオン」になるだろうと述べました。

「ピーク時の当社のグローバル・プラットフォームに本当にプラスになるような、重要な宝石のようなものは見当たりません」と同氏は述べました。

エクイニクス 90MWのxScaleハイパースケールキャパシティをリース

2024年第3四半期のエクイニクスの売上高は、前期比2%増、前年同期比10%増の21億1,000万ドルでした。第4四半期の収益には約2,300万ドルの為替によるマイナス影響が含まれています。

調整後EBITDAは9億2,000万ドルで、第2四半期比で2％減少しましたが、前年同期比では10％増加しました（1,200万ドルの為替のマイナス影響を含む）。純利益は2億2,800万ドルでした。

エクイニクスCEOのCharles Meyersは次のように述べています。「2023年もエクイニクスにとって好調な年でした。売上高は80億ドルを超え、四半期ベースで21年連続の増収という驚異的な記録を達成しました。私たちは意欲的な事業計画を大幅に前進させ、この先待ち受けている莫大なビジネスチャンスを生かす体制を整えました。」

第4四半期、エクイニクスは同社のロンドン LD8 データセンターを購入しました。第4四半期には、ワシントンDCのDC16、フランクフルトのFR13、クアラルンプールのKL1、ソウルのSL4が開設されました。

xScaleのハイパースケール事業については、90MWのリースを記録しました。第4四半期から2024年第1四半期にかけて、エクイニクスはマドリード3x-1で5MW、マドリード3x-2で5MW、マドリード4x-1で10MW、ミラノ7x-1と7x-2で各5MW、ミラノ7x-3で10MW、ワルシャワ4x-1と4x-2で各5MW、ワルシャワ4x-3で10MW、東京13x-2で10MWをリースしました。

新たに承認された拡張には、DA11フェーズ3（テキサス州ダラス – 900ラックが2025年第2四半期に登場）、DC22フェーズ1（ワシントンDC – 2,000ラックが2025年第2四半期に登場）、LG2フェーズ3（ナイジェリア、ラゴス – 275ラックが2025年第1四半期に登場）が含まれます。

Myers CEOは、決算説明会でAIとNvidiaとの新たなクラウド提携について質問された際、今四半期のxScaleリースについて「大きな要因でした」と述べました。マイヤーズCEOはまた、同社がxScale設備を米国に導入することを検討していることも確認しました。

「私たちは、この市場でより積極的な活動を続けていく方法を模索しています。この市場への投資を進めることで、経済的にも戦略的にも大きな利益を得続けることができると考えています。だから、我々はそのために懸命に取り組んでいます。具体的な報告は何もありませんが、近い将来、私たちから連絡があると思います。」

彼はまた、米国のハイパースケールの拡大は、買収ではなく、主にオーガニックな成長に焦点を当てると付け加えました。

「我々は今、オーガニックに非常に集中していると思います。必ずしも無機的なものにオープンでないわけではないです。ただ、そのような資産を見極めるという点では、より難しいことだと思います。」

同社は、2024年の総収益を87億9000万～88億9000万ドル、調整後EBITDAを40億9000万～41億7000万ドルと予測しています。エクイニクスの2024年の設備投資額は25.7～28億ドルに達する見込みです。

Iron Mountain、 静かな四半期で好調な1年を終える

2023年第4四半期のIron Mountainのデータセンター部門の総収益は1億3,710万ドル、調整後EBITDAは5,820万ドルでした。前四半期のデータセンター事業の売上高は1億2750万ドルでした。

2023年全体では、Iron Mountainのデータセンター事業の売上高は4億9,500万ドル、調整後EBITDAは2億1,590万ドルでした。

第4四半期の全社売上高は14億ドルで、2022年第4四半期の13億ドルから11%増加しました。第4四半期の純利益は2,920万ドルです（2022年第4四半期は1億2,570万ドル）。第4四半期の調整後EBITDAは5億2,520万ドルで、2022年第4四半期の4億7,190万ドルと比べ11.3%増加しました。

Iron Mountainの の社長兼最高経営責任者（CEO）であるWilliam L. Meaneyは、「第4四半期、通期ともに傑出した業績を報告でき、売上高と調整後EBITDAが過去最高となったことを喜ばしく思います。当社は2024年も成長軌道を維持する態勢を整えており、これは売上高が2桁成長するという財務ガイダンスにも反映されています。」

同社は第4四半期に122件の契約で4.5MWをリースしました。更新契約は156件、合計7.9MWとなりました。

決算説明会では、ニュージャージー州のデータセンターで、米国で事業を拡大する「自動取引テクノロジー企業」、米国のクラウド・プロバイダー、インドのムンバイの施設で「大手銀行」に容量を提供する7年間の契約を結んだと発表しました。

同社はまた、世界で40以上のデータセンターの廃止を管理し、米国の金融機関からデータセンターの廃止契約を獲得しました。

IMのデータセンター事業は、2023年までに124MWをリースしました。2024年には100MWの新規および拡張リースを見込んでいます。

Meaney最高経営責任者（CEO）は決算会見で、「データセンター事業の成長軌道に引き続き満足しています。今年の当初計画を大幅に上回る124MWを契約できたことを嬉しく思います。当社は、ハイパースケールおよびコロケーションの両顧客にサービスを提供する絶好の機会と、当社のフットプリントの大きな成長の可能性を引き続き見ています。」

同社は現在、26の施設で255.4MWの容量を稼働させています。稼働率は95.5%です。当四半期には、バージニア州の10MWのVA-3とロンドンの9MWのLON-3が稼働を開始しました。

年間のデータセンター設備投資額は9億6,510万ドルです。2024年の成長設備投資総額は約13億5,000万ドルに達すると予想されており、同社は「大部分」がデータセンターでの設備投資になると述べています。

American Tower：データセンターの伸び悩み

米オペレーターのCoreSiteを傘下に持つ American Tower のデータセンター売上は2億1,500万ドル、利益は1億700万ドルでした。ちなみに2022年第4四半期のデータセンター売上は1億9800万ドル、2023年第3四半期の売上は2億1200万ドルでした。

通年では、データセンター収入が8億3,500万ドル、利益が4億1,500万ドルとなりました。

全社売上高は27億8,700万ドルで、2022年第4四半期から8,200万ドル増加しました。調整後EBITDAは17億6,100万ドルでした。

American TowerのCEOであるSteven Vondranは次のように述べました「 American Tower では、今年も堅調な業績を達成することができました。2023年には、米国およびカナダで記録的なコロケーションと改正の成長、コアサイトでは2年連続で記録的な売上高を達成し、海外市場でも堅調な業績を収めることができました。2024年以降に目を向けると、5G、AI、より分散されたコンピュート・ワークロードの要件といったテクノロジーの進化が、当社の通信インフラ資産に対する莫大な需要を促進すると予想されます。」

2024年について、同社はデータセンターの収益を9億ドルから9億2000万ドルと予測しています。データセンターの設備投資額は4億5000万ドルに達する見込みです。

決算報告会見でデータセンター事業の国際展開の可能性について質問された Vondran CEOは、「現時点では傾注しているものではないです」と答えました。

「今よりも大きなフットプリントを持つことを望む顧客はいます。そのような機会を検討するつもりです。しかし、近い将来、米国外で何かを行うということを今日指摘できるようなことは何もないです」と語りました。

AIについては、Vondranは、同社の施設ではAIインファーレンシングが「回復」しており、特定のユースケースのためのエッジでのAIに関する短期的な機会を模索していると述べました。

「特にニッチなアプリケーションについて、さまざまなパートナーと取り組んでいるPOCがあります。Towerの基部にあるマイクロデータセンターでAIを促進するのは、まだ少し先の話だと思います」と彼は語りました。

DigitalBridge: 2024年のデータセンター設備投資額は110億ドル

2023年第4四半期、DigitalBridgeの普通株主に帰属する当期純利益は1億60万ドル、調整後EBITDAは3,198万5,000ドルとなりました。

「2023年第4四半期は、当社がDigitalBridgeを率いて以来、最高の運用報酬と手数料関連収益を計上し、好調に終えることができました。」DigitalBridgeのMark Ganzi最高経営責任者（CEO）は、「第4四半期の営業部門の非連結化に成功し、現在、当社はシンプルで収益性が高く、急成長中のオルタナティブ資産運用会社となっており、AI主導のデジタルインフラ需要に対応するため、2024年もプラットフォームの拡張を続ける態勢が整っています」と述べました。

決算発表の中で、DigitalBridgeは現在、世界の80以上の市場で190以上のデータセンターを所有しており、5年間で5GW以上のパイプラインがあると述べました。

2024年のデータセンターの設備投資額は110億ドルに達するといいます。

決算説明会でGanzi CEOは、同社は70億ドル以上の新規資本を目標としており、同社のポートフォリオ全体で2GWのデータセンター・リースを達成する可能性があると述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。