OpenAIのサムアルトマンとa16zが、データセンター特化型熱エネルギー企業Exowattに出資

データセンター向けのモジュール式エネルギーソリューションを提供する新興企業Exowattが、OpenAIのCEOであるサムアルトマンと、ベンチャーキャピタル大手Andreessen Horowitz (a16z) からの資金調達に成功しました。

Exowattが発表した「P3」と呼ばれるモジュール式エネルギーシステムは、集熱器、蓄熱装置、発電エンジンの3つで構成されており、データセンターに必要な電力を効率的に供給します。

P3 は、標準的な40 フィートの輸送コンテナのスペースに収まるように設計されています。また、太陽光を直接電気に変換する従来の太陽光パネルとは異なり、最大24時間分の熱エネルギーを蓄えられる蓄熱装置を搭載しているとのことです。

電気ではなく熱を貯めることで、リチウムイオン電池などの蓄電池に比べて圧倒的に低いコスト(1KWhあたり0.01ドル)でエネルギーを貯蔵可能にします。また、レアアース素材への依存度も低減できるそうです。

ExowattのCEO兼共同創業者のHannan Parvizianは、 「従来のソリューションは、初期費用が高額かつ設置に時間がかかりますが、Exowattのモジュラーシステムは、迅速かつ費用対効果の高い導入が可能で、しかも今年中にご利用いただけます」と述べ、「特にAIの急成長に拍車がかかる現代社会の高まるエネルギー需要に、迅速に対応できるよう構築されています」と続けました。

Exowattは、アメリカ全土のデータセンターから 、500MWを超える受注残を抱えており、今年後半に導入を開始する予定だとしています。顧客名は明らかにされていません。

AtomicのCEOでExowattの共同創業者でもある、Jack Abrahamは次のように述べています。 「AIモデルのサイズは 3 か月ごとに倍増しており、それに伴い、データセンターの電力需要も急増しています。AI の進歩に追いつくためには、より持続可能なエネルギーソリューションが必要です。だからこそExowattを立ち上げました。我々の使命は、地球環境を守りながら、世界のAIインフラの能力を向上させる超低コストのエネルギーを提供することです。」

フロリダ州マイアミを拠点とするExowattは昨年、AtomicのAbrahamと、Hannan Parvizianによって設立されました。 Parvizianは以前、テスラ、アクセンチュア、General Electricなどの様々な企業で、役職を務めていました。

Andreessen Horowitz(a16z)のゼネラルパートナーであるKatherine Boyleは、次のように語りました。 「Exowattは米国経済の持続的な成長を支える革新的な企業です。国内製造部品を使用した完全な米国製造へのコミットメントにより、米国全体のインフラとレジリエンスを大幅に向上させるでしょう。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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