欧州委員会、1億8,000万ユーロ規模のソブリンクラウド入札で4社を選定

Post Telecom、StackIT、Scaleway、Proximusが契約を獲得

欧州委員会(EC)は、総額1億8,000万ユーロ(約2億1,200万ドル)のソブリンクラウドサービス契約におけるプロバイダーを選定しました。

ECは2025年10月、ローカルクラウドサービスに関する入札を実施し、欧州連合(EU)の機関、団体、事務所、省庁に対して6年間にわたりソブリンクラウドサービスを提供可能な事業者を募集していました。

4月17日、ECはこの契約を4つの事業者を選定したと発表しました。選定されたのは、Post Telecom(CleverCloud、OVHcloudと連携)、StackIT、Scaleway、そしてProximus(S3NS、Clarence、Mistralと連携)です。

契約裁定通知によると、この入札は「主要な技術およびインフラ全体にわたる戦略的な管理を強化することで、EC自身の主権を高めるより広範な取り組みを支援する」ことを目的としています。

契約は、戦略面、法的側面、運用面、環境配慮に加え、サプライチェーンの透明性、技術のオープン性、セキュリティ、EU法への適合性という8つの目標に基づいて評価・授与されました。

現在、ECは主権評価を実施するための具体的な基準を盛り込んだCloud Sovereignty Frameworkの改訂版を策定しています。同時に内部では、各部局および他のEU機関向けに提供しているデジタルサービス全体について主権を評価し、強化するための基準を適用・調整する作業を進めています。

ScalewayのCEOであるDamien Lucasは、次のように述べています。「当社では、技術や欧州の規制枠組みへの適合だけでなく、エコシステムの構築と投資のあり方を通じて欧州のデジタル自立性に貢献することを約束しています。現在、当社に支出する1ユーロごとに約68セントが欧州経済に再投資されていますが、国際的なハイパースケーラーに依存した場合は約20セントにとどまります。真に欧州のクラウド事業者に投資を向けることで地域の能力を強化し、価値、専門性、イノベーションを欧州に根付かせることができます。」

OVHcloudのCEOであるOctave Klabaは、今回の契約授与について次のように語りました。「ECが我々のコンソーシアムに示してくれた信頼を大変うれしく思います。本プロジェクトは、最高水準の要求に応えられる堅牢な選択肢が欧州にも存在することを証明しています。また、欧州企業が力を結集すれば大きな変化を生み出せることを示す決定でもあります。」

さらに、POST GroupのDEEP部門マネージングディレクターであるSébastien Genescaは、次のように述べています。「ECが我々のコンソーシアムに寄せてくれた信頼に感謝します。OVHcloudおよびClever Cloudとの協業により、私たちは要求水準が高く、非常に魅力的なソリューションを実現しました。共通の目標は、我々の技術的専門性を結集しつつ、欧州共通の価値観を共有するソブリンクラウドを構築することです。」

デジタル主権の問題、特に欧州の公共部門におけるデジタル主権は、近年ますます議論されるようになっています。多くの欧州諸国政府が米国のクラウド事業者に大きく依存している現状では、データは米国政府が米国企業がホストするあらゆるデータへのアクセスを要求できるCLOUD Act(クラウド法)の対象となります。

GoogleAmazon Web Servicesマイクロソフトという米国の三大ハイパースケーラーはいずれも、欧州の顧客に対してデータ主権に関する懸念を和らげる取り組みを行ってきましたが、今回の契約授与は米国テクノロジーへの依存から距離を置く動きを示すものとなりました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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