
AWS、Lumenと連携しネットワークの接続基盤を簡素化
AWS Interconnectの新オプションが一般提供開始
Amazon Web Services(AWS)とLumen Technologiesは、AWS Interconnect–last mileサービスを商用化しました。このサービスは、企業が光ファイバー接続を容易に設定できる仕組みを提供し、クラウド・ネットワーキングにおける接続や回線といった裏側の仕組みを利用者が意識しなくてよい「当たり前の存在」とすることで、ネットワーク接続に伴う面倒な作業から解放することを目指しています。
AWS Interconnect–last mile サービスは、昨年末に開催されたAWSの年次イベント「re:Invent」で初めて公開されました。このサービスにより、ユーザーはLumenのCloud InterconnectプラットフォームとAWS Consoleを利用して、支社、データセンター、リモート拠点をAWSに接続できます。料金は必要なパフォーマンスに応じて設定され、1Gbpsから最大100Gbpsまで柔軟に拡張可能です。
同サービスは現在、Lumenを最初の正式プログラムパートナーとして一般提供が開始されました。これにより、利用を検討する企業は同社が提供する34万マイル以上の広範なネットワーク網を活用できるようになります。
AWSのネットワーク担当VPを務めるRob Kennedyは、SDxCentralとのインタビューで、プレビュー期間を通じてサービスの微調整を行うことができたと、以下のように説明しました。「プレビュー期間で行った作業の大半は、顧客体験に関わる部分でした。APIの完全な実装や、Lumenと相互接続している複数の拠点における適切な容量確保などです。要するに、エンドツーエンドのサービス全体が完全に提供可能な状態であることを確認することでした。re:Inventで実施した限定プレビューでは、立ち上げまでのプロセスがまだ煩雑で、利用者にとって使いにくい部分がありました。しかし現在はAPI駆動になり、数分で自ら接続を有効化でき、すぐに使い始められるようになっています。」
Lumenのプロダクト担当シニアVPであるScott Yowも、この数か月間の取り組みについて、次のように補足しました。「当初は単にメールをやり取りするような、かなり不格好なやり方でしたが、現在ははるかに高度なAPI統合を進めています。最終的に目指しているのはそこです。また、この取り組みは、当社のCEOであるKate Johnsonが掲げる『通信をクラウド化する』という方針とも一致しています。ネットワークそのものと、ネットワークとクラウドの境界、そしてクラウドへの接続方法を改善し、より統合された体験にしていくことが重要であり、今回の取り組みはその大きな一部です。」
Rob Kennedyは、このプラットフォームで開発されたAPIがAWS Interconnect–last mileと同時に発表され、同様に一般提供が開始されたAWS Interconnect–multicloudでも共有されていると指摘しました。multicloud版は、Amazon Virtual Private Cloud(VPC)を他のクラウドプロバイダーのVPCと直接接続する、プライベートなレイヤー3接続サービスです。最初のマルチクラウド連携パートナーはGoogle Cloudで、Microsoft Azureも今年後半に追加される予定です。
同氏は、次のように述べました。「このAPIの標準は、オープンスタンダードの考え方に基づいて開発しました。そのため、これを世の中に公開したいと考えています。誰もが正しい方法でこれを実現できるようにしたいのです。相手が誰であっても構いませんし、他の通信事業者とも連携していくつもりです。これにより、業界全体がよりシンプルな方向へと変わり、配管のような部分はAPIの呼び出しやボタン操作だけで接続でき、当たり前に使える仕組みになることを期待しています。」
価格、パフォーマンス、そしてポジショニング
あの「使い勝手の悪い(clunky)」インターフェースが解消されたことで、料金体系のシンプルさも強調されています。
Kennedyは、次のように説明しています。「料金は帯域幅に対する課金のみです。1Gbpsが欲しければ、1Gbps分だけをお支払いただきます。その1Gbpsの回線上で、どれだけデータ転送していただいても構いません。この分野の多くの顧客にとっては、こうしたモデルの方が好まれています。もちろんクラウド内部では『リソースを使っていなければ支払いたくない』という意味で、従量課金モデルは非常にうまく機能しています。それぞれに長所と短所がありますが、顧客から聞こえてきたのは、毎月一定額を支払う固定料金の方がよい、という声でした。そこで私たちはその形を提供しています。」
「パフォーマンスは最大100Gbpsまで提供されるものの、実際にはそれを大きく上回るスループットを内部で確保しており、SLA(サービスレベル契約)を支えられる設計になっています。仮に100Gbpsのサービスを販売した場合でも、当社側では実際には400Gbpsを用意しています。つまり、どんな状況でもルーターを1台切り離すことができ、さらに2台の障害が同時に発生しても、なおその帯域幅を提供し続けることが可能です。だからこそ高いSLAを提供できるのです。」
Scott Yowは、この価格とパフォーマンスの考え方が導入に対する不安を和らげるはずだと述べました。
「これまでは、顧客自身が『ネットワーク構成をどうすべきか?冗長性をどう確保するか?複雑なルーティングやポリシー、セグメンテーションなど、それに伴うあらゆる課題にどう対処するか?』といったことを考えなければなりませんでした。しかし、私たちはバックエンドで顧客に代わって、そうしたすべてを処理しています。もはや顧客がそれを意識する必要はありません。いわばエンジニアリングをしなくてもよい状態です。顧客は単純に容量を利用するだけでよいのです。」
Lumenは直近の決算説明会において、昨年末時点で1,700万マイルの「都市間(intercity)」光ファイバー資産を保有していると報告しました。また経営陣は投資家に対し、2031年末までにその規模を5,800万マイルへ拡張する計画を示しています。Scott Yowは、この数値が自社のルート全長にわたって敷設してきた光ファイバーの総延長を示していると説明しました。
このネットワークは現在、総容量の72%が利用されており、そのうちハイパースケーラーが全体の50%を使用し、残りはエンタープライズ向けチャネルとLumen自身のサービスで利用されています。全体の利用率は、ネットワーク拡張が進んでもわずかに増加する程度にとどまる見通しですが、ハイパースケーラーによる利用割合は、2031年時点で総容量の59%にまで増加すると予測されています。
新サービスの主な顧客層について、Rob Kennedyは、この新しい提供形態が意思決定の集約を後押しする可能性があると述べました。
さらに、「Direct Connectのようなサービスや、一部の顧客がDirect Connectで数百Tbps規模の容量を使っているケースは、非常にカスタム性が高いため、今後も継続するでしょう。しかし、大多数の顧客について考えると、私たちは彼らがよりシンプルで管理されたこの新しい選択肢へ移行していくと見ています。そして私たちは、プライベートなlast mileであれ、パブリック接続であれ、衛星であれ、他のクラウドであれ、あらゆる接続手段を提供できます。どこにあるかを気にする必要はありません。ボタンをクリックするだけで利用できるべきなのです」と付け加えました。
Lumenはシンプルさの維持を重視
この考え方は、Lumenが長年にわたって進めてきた、物理ネットワークへのアクセスをクラウド化する取り組みと一致しています。Yowが言及したように、LumenのCEOであるKate Johnsonは、特にAI関連トラフィックの急増を支える局面において、同社がより広範なエコシステムの中で果たす重要な役割について、これまでも積極的に語ってきました。
今年のMWC (Mobile World Congress) の場でSDxCentralの取材に応じた際、Kate Johnson CEOは、次のように語りました。「AIエコノミーにはプログラム可能なネットワークが必要です。ネットワークは、データにとってのサプライチェーンとなりました。そしてそれは高い機動性とセキュリティ、そして大容量の帯域幅を備え、あらゆるものと接続されていなければなりません。そうすることで、どこからでもどこへでもデータを移動できるのです。」
同氏はさらに、Lumenがこの機会を最大限に生かせるアーキテクチャを構築してきたと付け加えました。そのアーキテクチャについてYowは、AWSとの取り組みがそれを象徴するものだと述べています。
Scott Yowは、以下のようにコメントしています。「これは、クラウド導入の在り方が今後どのように進化していくべきかを考える上で、非常に重要な基盤となります。私たちはこれをできる限り幅広く再現していきたいと考えています。それは業界全体にとっても有益だと思います。クラウドが確立してきたオンデマンドで自動的にリソースを提供するモデルをそのままネットワークの世界に持ち込むことなのです。」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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