SKハイニックス、韓国の新チップ工場と2022年以来の黒字四半期を発表

チップメーカーのSKハイニックス( SK Hynix )は、韓国に5兆3,000億ウォン(38億6,000万ドル)のダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)チップ工場を新設する計画です。新工場の建設は4月末に開始される予定で、2025年11月の完成を目指しています。

同社は声明で、M15Xと名付ける新施設の投資総額は長期的には20兆ウォン(約145億ドル)を超える見込みだと述べました。

今月初め、同社はインディアナ州ウェストラファイエットに38億7000万ドルを投資して先端チップ・パッケージング施設を建設する計画を発表しまし。この施設では、次世代高帯域幅メモリー(HBM)、つまりAIモデルを訓練するGPUに使用できる最高性能のダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)チップを生産します。

同社はまた、4月にTSMCと覚書を締結し、TSMCのファウンドリー・プロセスを採用して、2026年に生産開始が見込まれる第6世代のHBMであるHBM4を開発することを発表しました。

AI需要の拡大で黒字転換

韓国の新工場は、SKハイニックスが1兆9200億韓国ウォン(13億9000万ドル)の純利益を計上した2024年第1四半期決算と同じ週に発表されました。この決算は、同社が2022年第3四半期以来の黒字を記録したことを意味します。

韓国で2番目に企業価値の高いSKハイニックスは、チップ設計者のGPU用HBM(高帯域幅メモリーチップ)のNvidiaへの主要サプライヤーであり、同社へのHBM3の唯一のサプライヤーでもあります。

同社は声明の中で、オンプレミスのAIデータセンターで使用されるエンタープライズ向けソリッド・ステート・ドライブ(eSSD)の販売増加に加え、AIメモリー技術への需要が同社のDRAMおよびNAND事業を後押しし、利益に関して「意味のある好転」を達成することを可能にしていると述べました。

CFOのKim Woohyun は、「HBMに代表されるAIメモリー分野における業界最高の技術により、当社は明確な回復局面に入った。業界最高の性能を持つ製品を適切なタイミングで提供し、収益性優先の姿勢を維持することで、業績の改善に向けて引き続き努力する」と述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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