ITU、ICT業界に対し2030年まで排出量45%の削減要求

データセンターはITU L.1470の対象

国際電気通信連合(ITU)は、ICT業界に対し、2020年から2030年までに温室効果ガス(GHG)の排出を45%削減するよう求めています。

パリ協定に準拠するために、国連機関は排出量の削減に役立つ新たな標準を策定しました。ITU L.1470は、モバイル通信、固定通信、およびデータセンター事業者向けに、排出削減軌道を推進しています。

標準

ITU L.1470「 GHG emissions trajectories for the ICT sector compatible with the UNFCCC Paris Agreement 」は、Global Enabling Sustainability Initiative(GeSI)、GSMAおよびSBTiと共同で開発されました。 それはICT企業が科学的根拠に基づく目標を設定するための関連ガイダンスにより支持されています。

拘束力のない勧告であるこの標準は、2015年に定量化され、2020年、2025年、2030年に推定される世界のICTセクター及びサブセクターによるGHG排出量の軌跡を提供します。また、標準では2050年の長期的な野心についても示されています。しかし残念ながら、基準の仕様についてはITU参加メンバーのみに制限されています。

「この新たなITU標準は、ICT業界のゼロエミッションへの道筋に向けて信頼できるガイダンスを提供する。」と、ITU事務局長のHoulin Zhao氏は述べています。

– shutterstock

「この標準は、主要パートナー間の良好なコラボレーションにより実現できる一つの例である。またこれは、国連の持続可能な開発目標を追求する国際的な取り組みに大きく貢献する事を表している。」

世界のモバイル通信の3割を占める29社が参加する事業者グループはscience-based targets(SBT:科学的根拠に基づいた排出削減目標 )に取り組んでいる、と業界団体のGSMAは主張しています。

グループへの参加企業29社は以下。AmericaMóvil、AT&T、BT、Bharti Airtel、Deutsche Telekom、Elisa、Far Eastone、KPN、Magyar Telekom、NTTドコモ、Orange、Proximus、Reliance Jio Infocomm、Safaricom、Singtel、SK Telecom、STC、Swisscom、T-Mobile USA、台湾モバイル、TDC、Tele2、Telefónica、Telekom Austria、Telenor、Telia Company、Telstra、Verizon、Vodafone.

この標準に関するニュースは、EUが検討を進めるデータセンターのカーボンニュートラル化の動きに続きます。また、最近の画期的な研究結果では、業界は大幅な効率の向上の成果もあり、世界全体の電力使用量の僅か1%しか消費していなかった、との報告が上がっています。

Data Center Dynamics

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