ASHRAEガイドラインはどこまで遵守されているか – 英国の実態

不適切な監視があかるみに

データセンターのリスクマネジメントソフトウェアを販売する英国EkkoSense社が、英国にある128のデータセンター(IT機器数は16,500に及ぶ)を対象に行った調査結果を発表しました。
発表によると、およそ80%のデータセンターが ASHRAE の温度ガイドラインを満たさずに運用していることが判明しました。2016年7月に発表されたASHRAE第4版では、ラック内の推奨温度は18-27度と定められています。また、ASHRAEのガイドラインは温度の計測場所についても規定しており、温度センサーは3~9メートルごとに各ラック通路へ設置されるべきとのことです。

とにかく、熱い

今回の調査では、調査されたラックのうち11%が推奨温度外で管理されており、また78%ものデータセンターにおいて、異常に発熱しているラックが1つ以上発見されています。
確かに、あくまでも人間がその中で働く必要がなければの話ですが、データセンターは高温の環境下でも運用することができます。しかし、ワークロードを危険にさらすことなく実行するためには、気温だけではなく、電力消費量やエアフローといった監視データを取る必要もあります。

行き届いた管理の欠如は、コストを肥大させ、IT機器の故障も引き起こします。Ponemon Instituteが2016年に行った調査で、データセンターのシステムダウンのうち11%は水、熱、そして空調の障害によって引き起こされていると指摘しています。
EkkoSenseが行なった今回の調査では、空調の管理及び管理レベルが低いことによって、66%ものIT機器が十分な冷却効率を実現できていないという結果も明らかになっています。

– Data Center Dynamics
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