クラウドとコロケーションの活用には細心の注意を

コロケーションやクラウドへの移行は、価格とサービスレベルの問題点を浮き彫りにする

451リサーチでリサーチディレクターを務めるD・トンプソン氏は、デジタル変革が起こったといえど、企業は依然としてコストからその中核技術に至るまでデータセンターを必要としていると述べています。社内施設からコロケーションとクラウドに移行する企業には、落とし穴だらけの道のりが待っていると警告しています。

ITエンジニアの経歴を持つトンプソン氏は、9月にシンガポールで開催されるDCDのイベントDCD>South East Asiaで講演することになっていますが、コロケーションを選択する理由は驚くことにさほど変わっていません。今日、これは信頼性のある話です。自分のエリアから邪魔者を取り払うようなものです。実業家はこう言います。「私はデータセンター事業者ではないが、管理はできます。だから専門家にあとは任せるのです」

進化するコロケーション

皮肉にも、企業や組織がコロケーションに移行するビジネス背景がある時、彼らがクラウドに移行する理由はおよそコストが原因であることがほとんどです。「企業はコロケーションを買うことはできるかも知れません。ただ、コストが高すぎると感じてコロケーションから離れていくのです」

パブリッククラウド は一見、低コストに見えますが、多くの企業はクラウドが安い方が良いとは決して思っていません。それでも依然として、パブリッククラウドの導入障壁の低さと普及具合はコロケーション事業者に影響を与えてきました。手始めに彼らは、前払い制を成長中の企業に向いている都度払い制に置き換えたりしてより柔軟な支払いシステムを始めました。

トンプソン氏は、コロケーション事業者は、顧客を厳格なシステムに縛らずに柔軟な契約を提案したらどうかと勧めています。「コロケーションおよびクラウドサービス事業者は、顧客が同等の価値のワークロードに移せるようにします。例えば、コロケーション展開からクラウド移行の負荷です。これは顧客にとって、ひとつのプラットフォームに縛られていないことを保証することに他なりません」とトンプソン氏はコメントしました。

スタックの向上

コロケーションに目立った変化を与える最善の方法は、スタックを向上させてより高い価値のサービスにすることだとトンプソン氏は述べています。コストに縛られる方法から解放されて話し合いを進めるために重要なステップであると彼は考えています。「データセンター事業者は、企業が支払ったお金に見合った良い価値を得ていると考えることができるように、価値を確立し提供する方法を見つけなければなりません」

コロケーション事業者はこれを認識しています。コロケーションサービスに加えて、既に数多くのセキュリティとマネージドサービス、クラウド機能、ストレージとバックアップを顧客に提供している事業者が増えています。「コロケーション事業者はより多くの価値を提供しようとして、自分らを一層そういった関係性にはめ込んでいます」

一方で、コロケーション以上のサービスを提供するデータセンター事業者は、クラウド事業者を自分たちの競合他社と見なす可能性が浮き彫りになりました。この誤った考えは、独自のクラウドサービスを提供するコロケーション事業者にとっては正に真実です。顧客のニーズを優先することを提唱するトンプソン氏はこのように意見を述べています。

「より良いアプローチは、お互いの目的を理解することです。どのアプリケーションがクラウドでうまく動作し、どれがうまく動作しないかを理解することです。極めて具体的な理由から人々はパブリッククラウドにアプローチし、極めて具体的な理由によりコロケーションに移行するのです」

コロケーションパブリッククラウド、専用クラウドのいずれであっても、顧客が必要とする場所に顧客を導く良い話ができるようになります。そして、導入したITを顧客がより適切に管理できるよう支援します」混乱している顧客にとって不本意な選択肢は、安易にクラウドを選ぶことです―――たとえ、それが最適ではなかったとしても。

プロバイダの選択

最適なコロケーション事業者を選ぶとなると、魅力的な価格で過度に魅了されてしまうのは、トンプソン氏が何度も見てきた過ち間違いです。「誰かがいつも安く売る、それが現実です。そこで質問です。あなたは低価格のために信頼性を犠牲にしても良いと思っていますか?答えはNOでなければなりません」と彼は言いました。

トンプソン氏の最後のヒントは、企業が事業者をしっかり知る努力をすることです。SLAの通りに実行しようとすると、状況はすぐに悪くなる可能性があるので、最後の手段として残しておくべきと彼は言います。これは、コロケーション事業者の能力と専門分野を早い時点で検証することが不可欠であることを意味します。

企業はインタビューを実施し、将来の雇用計画の参考資料を確認するのはあり得ますが、それと同じだけ、コロケーション事業者に対しても実施することをトンプソン氏は勧めています。―――企業のインフラを管理することになっているのですから。

「コロケーション事業者をしっかり調査しないと、企業は痛い目に遭う可能性があります。[大手企業]は調査が簡単です。しかし、地方には無名の事業者もいます。そのような状況下では、自社で調査することになります」

– Data Center Dynamics
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