Oracleが10億ドル相当の英国政府契約を4件獲得

マイクロソフトは、王立調達サービス庁とのAI契約を拡大

Oracleはシナジープログラムの一環として、英国政府と4つの契約を締結しました。

労働年金省(DWP)、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)、司法省(MoJ)、内務省が、10年間で10億ドルの契約の一環として、共有サービスプラットフォームにOracle Cloudを使用することになります。

マイクロソフトはまた、王立調達サービス庁(CCS)から大規模なクラウドコンピューティング契約を獲得し、公共部門向けにAIの提供を拡大する予定です。

Oracleは、シナジープログラム契約の獲得により、政府省庁が単一の運用モデルを使用できるよう、構築を行います。Oracle Fusion Cloud Applications SuiteとOracle Cloud Infrastructure(OCI)を使うことで、コストを削減するとともに、25万人以上の公務員の財務、サプライチェーン、人事データを標準化する予定です。

このプログラムでは、アナリティクス機能にもOracle Fusion Data IntelligenceとOCIが使用されます。これらの共有サービスはすべて、Oracle Cloud for UK Government & Defenceで実行されます。

シナジープログラムは、4つの省庁のバックオフィスシステムを刷新するために、「新しいテクノロジーと機能を設計、開発、調達」することを目的としています。このプログラムの入札は、2023年6月に開始されました。

シナジープログラムのCTO兼ERPプログラム・ディレクターであるChris Murtaghは、次のように述べています。「私たちは、共通のオペレーティングモデルを構築し、英国の公務員の約半数を雇用する4つの省庁が一括して使用するビジネスプロセスを確立しようとしています。Oracle Cloudは、洞察力を拡大し、効率を高め、市民のニーズによりよく応えられるようにする単一のプラットフォームを構築します。」

また、OracleのシニアVP兼UKの責任者であるSiobhan Wilsonは、「政府部門は、効率的かつコスト効率よく業務を遂行するよう、常にプレッシャーにさらされています。Oracle Cloudへの移行により、効率性が向上し、英国市民により多くの価値を提供できるようになります」とコメントしました。

Oracleは、DWP、IBM、デロイトと協力してシステムの導入を進めます。

Oracleは、今回の案件獲得の以前、公共部門との契約をいくつかWorkdayに奪われています。その中には、9つの部門をまとめたマトリックスプログラムなどがあり、すでにクラウドに移行している部門もあれば、まだ移行していない部門もあるります。

その他の英国政府との契約に関するニュースとして、マイクロソフトが王立調達サービス庁との間で5年間の契約を締結しました。これにより、AI製品やサービスへのアクセスを増やすつもりです。

この契約は11月1日に発効し、公共部門がコストを削減しつつ、マイクロソフトのAI製品にアクセスすることを実現します。

発表によると、英国政府は「イノベーションのスピードを上げる」ことを目指しており、マイクロソフトとのパートナーシップは「公共サービスの資金調達、生活費危機の緩和、すべての人のための雇用機会の創出に必要な経済成長をもたらすこと」が期待されています。

マイクロソフトUKのCEOであるClare Barclayは、次のように述べました。「AIテクノロジーは、公共サービスを変革し、英国の経済成長を促進するまたとない機会です。このエキサイティングな新しい5年間のパートナーシップは、マイクロソフトが英国政府を引き続き支援し、世界クラスのデジタルファーストの公共部門インフラを構築することを意味します。」

また、CCSのCCOであるRoger Gonourieは、「この契約は、英国公共部門の規模とスケールを活用することで、対象となる公共部門がデジタルトランスフォーメーションとイノベーションの野望を追求することを支援するものです。これは、公共部門全体の成長を妨げる障壁を取り除き、顧客に最大限の商業的価値を提供するというCCSの継続的なコミットメントを示すものです。それは、私たち全員にとってより良い未来を確保することなのです」と述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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