Oracle、JEDI契約への法的異議申し立てを継続

オラクルは負けて喜んではいない

Oracleは、7月に却下された米国防総省(DoD)の100億ドル規模のJEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)契約に関する法的異議申し立てを再度行いました。控訴はマイクロソフトに対する契約締結の数週間後に行われる模様です。

Oracleは、JEDIクラウドプロジェクトの要件定義がAmazon Web Services(AWS)に肩入れしていると主張していました。この主張は7月に米国連邦裁判所により却下されましたが、同じ異議申し立てを連邦裁判所に再提出するようです。

法的訴訟の応酬

ブルームバーグ は、 DoDが連邦調達法に違反し、JEDIは元ペンタゴンの役人とAmazonの関係により腐敗したとのOracleの主張について報告しています。当契約は、国防総省のクラウドインフラを統合し、システムも近代化される一方、現在の複数契約・システムが、今後単一のクラウドプロバイダーのみの包括的取引に置き換えられるという点に対する異論が上がっていました。

一方、AmazonもMicrosoftの受注に対する異議申し立てを検討しているようです。

入札要件基準をクリアできなかったIBMとOracle は、落選が決定した直後に入札の公正性についてすぐさま抗議を行っていました。

“The Pentagon” by David B. Gleason is licensed under CC BY-SA 2.0

その後IBMは、その主張を却下した裁判所の決定を受け入れましたが、Oracleはまだ諦めていません。Oracleは、AWSがJEDIプロジェクトの関係者であるペンタゴンの2人の役人に対し有利な仕事を約束した、とする疑惑を追求しました。また、Amazonの元社員であったDeap Ubhi氏の再雇用が利益相反に抵触する点についても非難しました。同氏は2016年にDoDに転職し今回の入札業務に関わった後、2017年にゼネラルマネージャーとしてAWSからの再雇用を受けていました。

DoDの調査では、Ubhi氏の再雇用については「潜在的な倫理違反」があった可能性があると結論付けましたが、AWSの組織上の利益相反の疑念については認めませんでした。調査や法的訴訟に失敗したにも関わらず、 Oracle のロビー活動はその後も継続されました。

とりわけ、Oracleのロビー活動家はJEDIサーガ(=ここではAWSに対する批判文書の意)を作成し、それを最終的にトランプ大統領の机に届けました。この文書には、「10年間のDoDクラウド契約を独占するための陰謀」とするフローチャートが含まれていました。これには(オバマ大統領と一緒に撮影された)アシュトン・カーター元国防長官や、ジェームズ・マティス元国防長官の写真、それらがドル記号、矢印、さまざまな数字を結ぶハートの表現とともに記されていたようです。

当然のことながら、トランプ大統領はこれに介入し、「本契約は競争入札ではなかった」として調査を呼びかけました。

マティス元国防長官のスピーチライターであるガイ・スノッドグラス氏は、 2018年時点でトランプ氏がマティス氏に対し「アマゾンを潰せ」と入札から締め出すよう命じていたと主張しています。

マティス元国防長官の更迭後、マーク・エスパー新国防長官が再調査を引き継いだものの、Microsoftの受注決定発表のわずか1日前に、突然その調査から身を引きました。

Data Center Dynamics

原文はこちら

JEDIの壮大なサーガはまだまだ終わりそうにありません…。

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