マイクロソフト、 Helion社と2028 年に向けて 50MW融合電源PPA

データセンターへの電力供給をクリーンエネルギーで賄うための取り組みとして

マイクロソフト社は、Helion Energy社と2028年までに融合発電を行うための売電契約(PPA)を結びました。

2028 年までに稼働する予定で、一年の立ち上げ後に50MW 以上の発電量を目指す予定です。核融合発電会社は最終的にギガワットの電力を生産することを目標としています。

融合エネルギーは、星で起こるのと同じプロセスに従う、クリーンエネルギーの無限大の源となり得るものです。長い間、科学界の夢であり続けてきましたが、何十億もの研究投資が行われたにもかかわらず、その実現は常に5年先の未来とされてきました。

Helion社のCEOのDavid Kirtleyは、「 マイクロソフト社を初めての顧客として迎えられたことを、大変光栄に思っています。」と述べています。今回の提携により、商業用核融合エネルギーをグリッドに導入するスケジュールを前進させるだけでなく、2030 年までに二酸化炭素をゼロにする、というマイクロソフト社の目標も支援します。

KirtleyはCNBCに対して、「この契約は通常のPPA契約であり、電力供給が行われなかった場合には金銭的なペナルティーが発生します」と述べています。実際にこの電力を供給できると確信し、独自の経済的なインセンティブを用いて、取り組むことを約束しました。

マイクロソフト社の副会長兼社長であるBrad Smithは、Helion社の取り組みについて、「当社自身の長期間にわたる環境エネルギーの目標に賛同し、より多くの環境ガスをより早くグリッドに供給するための新たな効率的手法を構築するために市場を発展させます」と述べています。

多くの核融合技術は、トリチウムという珍しい水素同位体を燃料とするものですが、Helion社は、ヘリウム3という珍しい種類の気体を量子コンピュータに使用する予定です。

同社は、1億℃に燃料を熱する4mの大型プラズマ加速器を開発しています。重水素とヘリウム3を熱してプラズマ化し、核融合が起きるまで、パルス磁場で圧縮します。

これによって、融合発電の長い課題であった、投入したエネルギー以上のエネルギーを取り出すことができるようになると期待されています。昨年末、ローレンス・リバモア国立研究所は、核融合反応の駆動に使用したレーザーのエネルギーを上回るエネルギーを生み出すものを、世界で最初に実現しました。Helion社は未だ達成できていません。

同社は、OpenAI CEOのSam Altmanから3億7500万ドルを含む5億7000万ドル以上の民間資本を調達しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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