シンガポール、データセンターのモラトリアム解除へ、しかし 前提条件付き

Gan Kim Yong貿易産業大臣によると、シンガポールはデータセンターへの投資を歓迎しますが、今後はそうしたプロジェクトを「より選別」する意向です。

「特に、資源効率の点でクラス最高で、シンガポールの経済および戦略目標に貢献できるデータセンターの確保を目指します」と Channel News Asiaが報じたLouis Chua議員(WP-Sengkang)の国会質問に対する答弁書は述べています。また、シンガポールは既存のデータセンターの効率性を向上させるための措置を講じる予定です。

Gan Kim Yong貿易産業大臣

サステナビリティの推進

シンガポールは、データセンターの成長に向けてより持続可能なアプローチを検討しており、一部の業界ウォッチャーは持続可能性に関してシンガポールは最前線にいると述べています。その背景にはシンガポールが2019年にデータセンター産業の見直しに着手し、新たなデータセンターの建設に「モラトリアム」を課していたことがあげられます。

Gan Kim Yong 大臣は、データセンターが資源を膨大に利用することから、見直しが必要であると述べています。データセンターが使用するエネルギー量が、既存の電力網やその他の天然資源に負担をかけていることがその理由の1つです。シンガポールでは、2020年の電力消費量(3.4TWH)のうちデータセンターが占める割合は7%で、この割合は2030年には12%に増加すると予測されています。

「私たちは、気候変動へのコミットメントと整合性のある持続可能な方法でデータセンターの成長を管理する方法を見つける必要がありました」とGan大臣は述べています。

この見直しは最近完了し、当局は近々業界と詳細を共有し、意見を収集する予定です、とも述べています。

業界筋によると、政府は今年中に、いくつかの条件付きでデータセンター市場の開放を計画しているとのことです。

「データセンターは5MWを上限とし、PUEを1.3以下に設定する可能性もある」とある関係者は述べています。

昨年時点で国内には70以上の稼働中のデータセンターがあり、ITの総容量は約1,000MWとなっています。データセンターは、世界中で活況を呈するデジタル経済のバックボーンを形成しており、COVID-19パンデミックの発生以降、数倍に増加しています。サーバー、ストレージ機器、冷却インフラなど、すべてが電気と水を大量に消費します。

W.Media (VENKATESH GANESH)より抄訳・転載

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